LCD 20220303_3_fig理化学研究所(理研)創発物性科学研究センターソフトマター物性チームの西川浩矢特別研究員、荒岡史人チームリーダーらの研究チームは、「強誘電性[1]」を持った「ネマチック液晶[2]」に光応答性を付与し、光によって比誘電率[3]を広範囲にわたって制御できる材料を開発しました。

本研究成果は、強誘電体[1]の比誘電率を大幅に、簡便かつ可逆に制御する原理を発案しただけでなく、強誘電性ネマチック液晶を用いた実用的なフォトコンデンサ素子への応用が期待できます。

強誘電性ネマチック液晶はごく近年報告が相次いだ新しい概念の液晶で、有機分子としては最大級の10,000を超える比誘電率が報告されています。しかし、この強誘電性の起源はまだ不明であり、ひいては応用の可能性も未知でした。





今回、研究チームは、強誘電性ネマチック液晶の材料に、光応答性を持つ有機分子を少量添加するという極めて簡便な方法で、可視光に応答し比誘電率がおよそ100倍も変化する材料を開発しました。さらに、この材料を用いてフォトコンデンサ素子を作製し、静電容量を大幅かつ可逆に制御できることを示しました。
本研究は、オンライン科学雑誌『Nature Communications』(3⽉3⽇付︓⽇本時間3⽉3⽇)に掲載されました。

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