ジャパンディスプレイ(JDI)は30日、有機ELなどを使ったディスプレーの消費電力を40%抑えられる量産技術を確立したと発表した。すでに顧客との採用に向けた商談に入っており、2024年から量産を計画する。開発中の有機ELとあわせ、ウエアラブル機器向けのディスプレー製品などに向け25年度に約250億円の売上高を見込む。

ディスプレー画面を制御する微細なスイッチにあたる薄膜トランジスタ(TFT)についての技術を開発した。シャープの「IGZO」技術と同様の酸化物半導体を用いたTFTで、電流の流れやすさを示す「電界効果移動度」を従来の4倍に高めた。安定した特性を出しにくくなる課題があったが、出光興産が開発した酸化物材料を使った新しい製造プロセスを確立した。





新技術を採用すればウエアラブル機器の省電力化や仮想現実(VR)端末などの高精細化などにつながる。例えば待機時のスマートウオッチのように、画面の書き換わりが少ない低周波数での動作時には消費電力を4割削減できる。高精細の映像に向けては画面の書き換わりを早くして、画像の精度やリアリティーを高めることができる。

量産技術は、茂原工場(千葉県茂原市)のG6と呼ばれる大型基板の製造ラインで確立しており、事業化に向けた追加投資は10億円未満と説明している。開発中の有機EL技術と組み合わせて25年度に250億円、26年度に500億円程度の売上高を目指す。他社への技術提供などを通じライセンス収入を得るといった活用方法も検討する。

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