345025ブルーデニム生地で国内シェアの50%以上を占め、世界約20カ国に輸出するカイハラ。EDWINやリーバイス、ユニクロ、GAPなどグローバルブランドへ素材を提供する世界トップメーカーだ。
広島県福山市、福山駅から車で約1時間。とても交通の便が良いとはいえない立地に拠点を構える同社の特徴は、世界的にもまれな「生地の一貫生産体制」を確立し、世界中の名だたるブランドから信頼される高品質を保っていること。
1893年の創業から徹底された品質へのこだわりや、積極的な海外展開、カイハラブルーを支える経営哲学について、会長・貝原良治氏に伺った。





デニム生地を手に、世界各国を駆け回る
現在、当社では社員一人ひとりのアイデアによって、1年間に約1000種類ものデニム生地の試作品をつくっては、世界各国の取引先にプレゼンして回っています。
当社のような小さなメーカーでは、「定番商品をいかに安価に量産するか」というフィールドで世界に挑むことはできません。しかし、高品質な新しい生地を作り続けることが画期的な製品につながり、カイハラデニムに付加価値をつけると考えています。
その結果、広島県福山市の田舎にある小さな会社だったカイハラが、世界中のトップブランドに素材を提供する、デニム生地のグローバルニッチトップへと成長しました。そもそも、なぜカイハラはデニム生地をつくって国内外の高いシェアを誇っているのか。その軌跡をお話しいたします。


さかのぼること約50年、私がカイハラに入社した1970年、27歳のときです。当社は1893年から伝統産業である「藍染かすり」を生業に、代々受け継いできた小さな会社でしたが、入社当初から、繊維業界が将来先細っていくことを見据え、「世界を相手にしないと生き残れない」という強い思いを持っていました。
そこで、藍染めの技術を駆使して自社開発したデニム生地を手に、72年には香港の縫製メーカーへ、73年にはアメリカのジーンズブランドなど、さまざまなメーカーやブランドへ行き、自らプレゼンテーションをして回りました。
すると、デニム生地をアメリカやメキシコ、フィリピンから輸入していたリーバイスが、「生地が足りないから取引したい」と言ってきたのです。

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