シャープの株価が2022年6月9日の東京株式市場で一時、前日終値比94円(8.6%)安の992円まで下落し、2020年3月以来、約2年2か月ぶりの安値をつけた。
前日8日に2023年3月期連結決算の業績予想を発表したが、利益予想が市場平均を下回っており、失望売りを集めるかたちとなった。その後も反転のきっかけをつかめずにいる。

業績予想の内容を確認しておこう。売上高は円安の影響で前期比8.2%増の2兆7000億円と増収を予想するが、営業利益は23.3%減の650億円、最終利益は32.4%減の500億円と大幅な減益を見込む。 2022年3月期連結決算を5月に発表した際、ウクライナ情勢の影響などを含め業績予想は精査中として発表を延期していた。市場予想(6月6日時点)は、営業利益が806億円、最終利益が599億円となっていて、大きくこれを下回ったことが投資家に嫌気された。
では、なぜ利益が減るのか。





半導体不足や原材料価格の高止まりが続くなか、中国のロックダウンがサプライチェーンの混乱に拍車をかけ、原材料価格の一段高を招いて、シャープの利益に響くからだ。原材料高の一因となる円安も、いまや重い負担だ。

   シャープは今期、為替レートを1ドル=125円と想定しているが、対ドルで1円円安になると、営業利益は19億円のマイナスとなる。

   2022年3月に条件が整い次第、完全子会社化すると発表した堺ディスプレイプロダクト(SDP)もマイナス材料だ。

   堺市で2009年に稼働開始した液晶パネル工場を運営するSDPの業績見通しも、シャープは今期の業績予想に織り込んでいる。このため、足元のテレビ用大型パネル価格の下落が利益計画に負のインパクトを与えている。

   ウクライナ情勢の悪化によって、ロシアなどのテレビ需要が落ち込むことも、今後のパネル価格に影響する。

 ここで、現在のシャープの手がける事業を、全体の売上高に占める割合(2022年3月期)とともにみてみよう(概算であり、合計100%にはならない)。

・スマートライフ=エアコンや冷蔵庫などの白物家電(17%)
・8Kエコシステム=完成品のテレビやデジタル複合機、FA機器(22%)
・ICT=携帯電話機、パソコン、ルーターなど(12%)
・ディスプレイデバイス=液晶パネルなど(33%)
・エレクトロニックデバイス=センサーや半導体レーザーなど電子部品(15%)
   このように、バランスがいいようにも見える。

   ただ、売上高では液晶パネルが主力だが、利益でみると、白物家電事業が全体の半分近くを稼いでいる。シャープの白物家電がなお競争力を維持している一方、部品としての液晶パネルが足を引っ張る構図ということだ。

   業績予想発表を受けたリポートでSMBC日興証券は「SDPを完全子会社化する決断をした前経営陣の判断に疑問を感じる」と記した。

   SDP改革という経営課題は続いており、少なくとも株価の大幅上昇には高いハードルがありそうだ。

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