積水化学工業株式会社の事業・高機能プラスチックスカンパニーは、バイオミメティクス(生物模倣)を活用した独自の接着化合物の設計と合成に成功し、一般的に接着し難いといわれるフッ素樹脂に接着可能な粘着テープを開発した。

近年、通信インフラをはじめとしたさまざまな分野において、フッ素樹脂の利用が増加している。しかしながら、フッ素系材料は表面エネルギーが低く、水も油も弾くという性質から、他の材料との接合が難しいという問題があった。

積水化学工業ではこの問題を解決すべく、ムール貝の特殊な分泌物が幅広い材料に接着するという現象に着想を得て、フッ素樹脂やポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂に強く接着できる粘着テープの開発を進めてきた。





その中で、ムール貝の分泌物であるポリフェノール成分を分子構造中に組み込んだ独自の化合物が、フッ素に粘着可能であることを見出した。

この技術を粘着剤に活用し、テープ化することで、例えばフッ素処理したフライパンにも接着することが可能になったという。

また、従来はフッ素系樹脂表面の接着性を上げるため、プライマーと呼ばれる下塗り剤を塗布して粘着テープを貼合していたが、各々の相性で接着が不十分になることや、作業工程負荷が大きいなどのデメリットがあった。プライマーレスを可能とした本製品を使用することにより、製造プロセス(プライマー塗布、乾燥工程など)を削減し、さらに安定した接着性の実現が可能になるという。

高周波回路用の基板材料や、高機能化が進むスマートフォン内部での被覆部品やフィルターなどの接着をはじめ、フッ素樹脂を用いたパッキンなどが用いられている産業機器やメディカル用途など、フッ素系材料周辺の接着シートや粘着テープでの採用が期待されている。

本製品は今後サンプルの提供を通じて、2023年度の製品上市に向けた市場開拓を進めていくということだ。


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