ryukoku01_w590龍谷大学先端理工学部内田欣吾教授研究室の中川優磨氏は2022年8月、単一分子で純度が極めて高い白色の蛍光発光を示す、新しい「有機材料」を発見したと発表した。有機ELディスプレイなどへの応用が期待される。  

内田研究室は長年、フォトクロミック化合物の「ジアリールエテン」について研究を行ってきた。ここで得られた多環芳香族化合物「1ar」の結晶は、分子内で青色と黄色の発光現象が同時に見られ、これらの蛍光が混じり合うことで、白色の蛍光発光になることを見いだした。





「1ar」の蛍光発光スペクトルを観察したところ、青色と黄色のスペクトルを確認することができ、蛍光寿命が異なることなどが分かった。
国際照明委員会のCIE標準表色系である(CIE)1931の座標値は(0.31、0.30)で、極めて純度が高い白(純白値=1/3、1/3)であった。蛍光量子収率も0.12となり、実用レベルの0.1を超えた。