シャープが11月4日発表した2022年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比3.3%増の1兆2579億円、最終利益が同75.7%減の103億円で増収減益となった。急激な円安の進行と、大型パネルを生産している「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」(堺市)の連結影響が想定以上に収益を圧迫した。

 23年3月期の業績見通しは売上高を2兆7000億円で据え置いたが、最終利益は前期比93.2%減の50億円に引き下げた。業績悪化を受け、経営幹部の給与を23年3月まで最大30%カットし、常務以上は冬の賞与を返上する。





 シャープは家電やスマートフォンなど、中国やベトナムなどのアジア圏で生産し、日本に輸出する製品を多く扱っている。このため、円安による損失は、22年度の上期で205億円に上った。また、6月にテレビ用の大型液晶パネルを生産するSDPを再子会社化したが、世界的なディスプレー市況の悪化により、大幅な減益の要因となった。

 新製品投入に合わせて実施してきた値上げや海外向け白物家電の伸長などのプラス要因もあったが、打ち返すには至らなかった。

 沖津雅浩副社長は「足下は非常に厳しい状況にあるが、22年度中に底を打って23年度には回復基調に持っていきたい」と述べた。

 また、円安を受けた生産の国内回帰について「メリットがあるようならスマホや小型の調理家電などを製造委託によって国内に戻すことも検討する」とした。

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