Screenshot 2022-11-23 21.47.14日本経済新聞社が実施した2021年の「主要商品・サービスシェア調査」で日本企業の首位は7品目にとどまった。日本勢が上位を独占する品目もあるが、いずれも成熟産業で大きな伸びは期待できない。医薬やIT(情報技術)など成長分野での存在感は薄い。

日本の首位は自動車、自動二輪、デジタルカメラ、A3レーザー複写機・複合機、CMOS画像センサー、携帯用リチウムイオン電池、偏光板の7品目だった。調査対象が異なり、単純比較できないが、20年から横ばいだった。

今回の調査で首位が交代したのは4品目だ。バイオ医薬品では米ファイザーが20年の10位から1位へと浮上した。独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの売り上げが伸びた。ファイザーは医療用医薬品でもトップだった。バイオ医薬品は21年の市場規模が前年比36%増、医療用医薬品も18%増と成長分野だが、上位企業に日本勢は少ない。





デジタル分野でも同様だ。メタバースで注目が集まる仮想現実(VR)ヘッドセットではメタ(旧フェイスブック)が8割超のシェアを占めた。安価なデバイスを提供し、フィットネスなどコンテンツを充実させた。ソニーグループは20年の2位からシェアを落とし、上位5社から脱落した。

日本勢が1~3位を独占したのは2品目。A3レーザー複写機・複合機はキヤノンがリコーを抜き首位となった。3位のコニカミノルタも含めた3社のシェアは4割になる。ただ、オフィス向けは新型コロナウイルス下で定着した在宅勤務やペーパーレス化で大きな成長は見込めない。

デジタルカメラは首位のキヤノンなど上位3社のシェアが8割を超す。高性能のカメラを搭載するスマートフォンの普及を受けて市場は縮小傾向が続く。21年の出荷台数は20年比4%減った。

もちろん先端分野で日本の競争力が強い分野もある。スマホカメラの高画質化を支えるCMOS画像センサーでは首位のソニーグループのシェアが44%と高い。車載向けに強い米オムニビジョン、廉価スマホ向けの中国ギャラクシーコアが販売を伸ばしている。ソニーグループは海外勢の追い上げはあるが、新型のセンサー開発や積極的な設備投資も進めて首位を堅持する構えだ。

強固なサプライチェーン(供給網)も成長に欠かせない。半導体製造装置では東京エレクトロンが20年の4位から3位に浮上した。部材不足で十分に生産できなかった装置メーカーが多いなか、取引先と長期の市場動向を共有して生産計画をつくり、販売を伸ばした。

世界の主要商品・サービスシェア調査は各調査機関の推計などを基に56品目について上位5社までのシェアをまとめた。首位交代は4品目で、コンテナ船ではスイスのMSCがデンマークのAPモラー・マースクを抜いてトップになった。

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