SDPはシャープが20%の株を持つ。シャープのテレビや業務用ディスプレーのパネルは主にSDPから調達している。80%を保有する、サモアに本拠地を置くワールド・プレイズ社との協議を始める。
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液晶・有機EL・プラズマ、FPD業界・パネルメーカー・関連企業情報を掲載。当ブログで激しい市場動向に追随!--Since Nov.2004
November 25, 2021 07:31
「アップルの穴は埋まるのか」。ジャパンディスプレイ(JDI)に投資家の懐疑の目が向けられている。iPhoneの有機ELシフトに伴う主力の液晶パネルの減少で年1500億円規模の失注が起きた。アップル依存があだとなり、競合に見劣りするコスト構造が残り、新規受注を増やしても利益を確保できない赤字体質が続く。
1月にJDIの最高経営責任者(CEO)に就任した、いちごアセットマネジメント創業者のスコット・キャロン氏は「止血」のための改革を打ち出せるか。 「存在している費用が存在すべきかを徹底的に整理し、身の丈の経営をしなくてはならない」。キャロンCEOは危機感を強める。
May 12, 2020 09:54
株式会社INCJ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英、以下「INCJ」)は、本日、同社の投資先である株式会社ジャパンディスプレイ(本社:東京都港区、代表取締役社長:菊岡 稔、以下「JDI」)に対し、既存債権の一部についてリファイナンスを実施いたしましたのでお知らせいたします。
INCJは、かねてより、JDIの新たな資本提携先であるIchigo Trust(以下「いちごトラスト」)からの第一段階の出資が完了した時点で、JDIの財務体質をさらに改善するためのリファイナンスを実施する旨、表明しておりましたが、本日、いちごトラストからの出資が完了したことを確認し、下記内容の通り債権のリファイナンスを実施いたしました。
リファイナンス前 | ⇒ | リファイナンス後 | ||||
2016.12 | 第1回劣後CB | 250億円 | 2020.3 | A種優先株式 | 1,020億円 | |
2017.8 | 債務保証 | 1,070億円 | シニアローン | 500億円 | ||
2018.6 | 短期貸付 | 200億円 | ―― | ―― | ||
合計 | 1,520億円 | 合計 | 1,520億円 |
キャロン氏は米国出身、1964年12月生まれの55歳。米シリコンバレーで育つが、父親の転勤で1歳から3年間は東京に在住した。生まれて初めて出た言葉は日本語だったという。プリンストン大学在学中の1984年の松下電器産業(現・パナソニック)の研修生として受け入れられ、1990年には慶應大学で日本語研修を受けている。
1994年に再来日し、日本開発銀行やバンカース・トラスト、英プルデンシャルグループ、モルガン・スタンレー証券株式統括本部長などを経て、2006年にいちごアセットマネジメントを創業した。同年には日本の永住権を取得している。
ここへ来て、ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建に関する不透明感が高まっている。すでにJDIは主力工場の操業を停止し、キャッシュの流出を抑える状況になっているようだ。言い換えれば、同社の資金繰りはかなり厳しい局面に至っているということだ。
台中の各社にとってJDI再建のリスクは想定していた以上に上昇してしまった。特に、JDIの業績が急速に悪化し、債務超過の状態が長期化する恐れがあることは軽視できない。19年7月以降、JDIは主力の白山工場(石川県白山市)の稼働を停止するなど、操業を続ければ続けるだけキャッシュが減少してしまう状態にある。最終損益も赤字が続いている。
現在の旗艦工場である茂原工場(千葉県)、東浦工場(愛知県)、深谷工場(埼玉県)、鳥取工場(鳥取県)、石川工場(石川県)、能美工場(石川県能美市)の6拠点だ。能美工場は旧東芝モバイルディスプレイ(TMD)の工場だったが、当時TMDの主要顧客であったアップルが投資額の大半を負担して設立されたと言われており、TMDの工場として稼働する前にJDIとして統合された。
ひたすら体力勝負のディスプレーパネル業界において、この数の生産拠点を日本国内に擁するだけでも身重すぎるのではないかという印象は当時から否めなかったが、16年には最新鋭の主力工場として、アップルからの前受金や石川県からの補助金を得て、白山工場(石川県白山市)を新設し稼働させている。同時に、車載事業の効率化を図るため、深谷工場と石川工場の車載技術や設備を吸い上げて統廃合し、深谷工場を16年4月に閉鎖したり、旧ラインの廃止や後工程ラインの海外集約などの手入れをしていたが、抜本的な減量を図ったわけでなかった。