
有機EL戦線“異常の予兆”は去年から
――シャープが7月25日にQD-OLED採用モデル「AQUOS FS1」を発表して、各社の2023年テレビのフラッグシップ機が出揃いましたが、改めて2023年の有機ELパネルの状況を振り返りましょう。
麻倉:今年の有機ELテレビ戦線は異常あり、です。“異常の予兆”は去年からありました。これまでLGディスプレイだけだったパネル供給メーカーにサムスンディスプレイが加わったのです。
そもそも、有機ELの画質は2014~15年くらいから大きくは変わっていません。あの時点で画質という面では、すでに液晶を凌駕していました。つまり、当時ライバルは液晶しかおらず、その液晶よりも圧倒的な高画質を持っていたわけです。その差は説明不要で、誰が見てもわかるものでした。
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