Flat Panel TV and Display World-2....液晶/有機EL・業界・動向

液晶・有機EL・プラズマ、FPD業界・パネルメーカー・関連企業情報を掲載。当ブログで激しい市場動向に追随!--Since Nov.2004

液晶

1兆分の1秒の時間分解能で液晶分子の動画を観測 - 岡山大ら

岡山大学らは12月1日、ディスプレイなど広く産業利用されている液晶分子について、これまでの概念を覆す新たな計測・解析手法を用いて、液晶分子に紫外線光を当て分子が動く様子を直接観察することに成功したと発表した。

同成果は、岡山大学大学院自然科学研究科(工)の羽田真毅 助教、林靖彦 教授、京都大学大学院理学研究科の齊藤尚平 准教授、筑波大学計算科学研究センターの重田育照 教授、九州大学大学院理学研究院の恩田健 教授らの共同研究グループによるもの。詳細は米国化学会雑誌「Journal of American Chemical Society」に掲載された。



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[連載:液晶の歩んできた道-15] 液晶は調味料のようでメインディッシュ?

 基板であるガラスの次は、液晶材料そのものの開発の歩みを見ていきましょう。液晶といっても色々な種類が存在することはいままで振り返ってきました。
代表的な液晶相の種類(動くイラスト)を見てみてください。設計するにあたり色々な選択肢があるということがご理解いただけると思います。
現在LCDに使われることが多いのはネマチック液晶で、ほぼ2社(+1社)で独占されています。ドイツに本社をおくメルク社チッソ株式会社から事業を引き継いだJNC社そしてDICです。 メルクが約60数%、チッソが約30%、DICが数%といったシェアと思われます。

 さて、そのような液晶の開発秘話は??



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[連載:液晶の歩んできた道-10]電卓が日本で5番目の「IEEEマイルストーン」認定に

「IEEEマイルストーン」は、電気・電子技術およびその関連分野において、社会に貢献した重要な歴史的偉業に対して認定するものです。
認定条件には、25年以上に渡って世の中の評価に十分に耐えてきたものという項目も含まれています。
1983年の制定以来、世界初のコンピューターであるENIACをはじめ、ボルタ電池やフレミングの二極管などが認定されています。
日本からは、1995年に八木アンテナ(東北大学)、2000年に富士山頂レーダー(気象庁、三菱電機)、東海道新幹線(JR東海)、2004年にセイコークォーツ(セイコー)の4件が認定されていて、2005年にシャープの電子式卓上計算機(電卓)が認定されました
国内では5件目で、情報機器分野では初めての受賞となりました。
 
この電卓の開発過程で確立した集積回路技術や液晶ディスプレイ技術などが、デジタル家電機器の基盤技術なり、「産業の米」「電子の紙」としてエレクトロニクス産業の発展に大きく貢献したことが認定の理由となったのでした。



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[連載:液晶の歩んできた道-9] 1973年ポケット電卓EL-805発売

電卓-ad四塩化アンモニア塩という添加剤の開発により交流による安定したDSM(Dynamic Scattering Mode)液晶駆動という基礎技術の確立にめどが立ち、ポケッタブル電卓に液晶を低消費電力薄型ディスプレイとして採用することが決定され、翌1972年当初からいよいよその事業化プロジェクト(S734プロジェクト)が発足しました。 表示装置の液晶採用とともに電力消費量の大きい演算部などについても徹底した省電力化を図り、さらに、1枚の強 化ガラス板上に、演算部、表示部、駆動部、キー接点などを一体化したCOS(Calculator -on-Substrate)化を図る ことにより乾電池の消耗を従来の 187分の1 にすることに成功しました。 結果としてこのプロジェクトは、要素となる材料開発から工場建設までという幅広い分野の活動を約1 年強で成し遂げ、1973年5月に、ポケット電卓EL-805が発売されました。


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[連載:液晶の歩んできた道-8] 液晶版「創造的失敗(Creative Failure)」

ビンの蓋を閉め忘れて液晶材料の純度を低下させてしまった船田、しかしここからが彼の度胸のすわったところ、なんとその失敗を逆手にとったのです。

液晶の駆動の実験で純度を上げイオン数を徹底して減らした試料では交流駆動で表示がうまくできなかったのに対し、この不純物混入の失敗材料は予想通り(と後に船田は述べている)すばらしい表示効果を示したのでした。
そしてなんと1 ヶ月たっても性能の劣化は見られなかったのでした。

船田は液晶材料中に一定量のイオンが必要ではないかと机上で予測はしていたと言っています。
しかし1グラムあたり何万円もする高純度に精錬された液晶材料にイオン不純物を意図的に添加することは新入社員の船田には出来ることではありませんでした。
しかし、実験準備の「失敗」が背中を押して実行に移してくれたのでした。



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[連載: 液晶の歩んできた道-3] 世界の表示ディスプレイを独占してしまった液晶技術

前回、液晶の発見を振り返ってみましたが、それから120年あまり、劣等生の液 晶が表示デバイスの世界を独占してしまっています。 液晶がいかに表示デバイス市場を牛耳っているか、次ページのチャート(販売:表示面積 ベース)を見てください。公開されている調査会社のデーターを寄せ集めてまと めたものです。

一時期プラズマパネル(PDP)が特に大型テレビの分野で幅をきかけていました。 しかし急速な追い上げをみせた液晶テレビの押し寄せにあい広がりは限定的でした。そして今後数年間を見ていくと明らかに先細りで す。2017年まで一定数は残りますが、とっても心細い存在に陥るようです。



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[連載:液晶の歩んできた道-2] 表示デバイス"劣等生"-液晶の発見・命名

まずは、液晶そのものの発見に物語があります。
液晶はオーストリアの植物学者 Friedrich Reinitzer(ライニッツァー)によって発見されています。1888年、明治21年のことです。
彼はコレステロールの研究中に、コレステロールの安息香酸エステルの結晶を加熱していくと、145.5℃で溶けて白く粘り気のある液体になり、さらに178.5℃で透明の液体になることを発見したのです。つまり2つの融点が存在する事を見つけたのです。
普通の材料は融点が2つあるということはありません。水も鉄も融点はある決まった温度ですよね。
実は他の生物学研究者も以前からこの現象には気づいていたのですが、これは不純物の影響だと思い込んでいたのでした。



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当サイト特集カテゴリー
1.液晶の歩んできた道(第一部)
液晶の黎明期から実用化を果たすまでの過程をわかりやすく解説することを目指して書きました。

2.液晶の歩んできた道(第二部)
液晶が当面の最終目標だった大型テレビに採用され夢の平面テレビが実現した過程を解説していく予定です。(開始時期未定)

3.用語辞典(技術・ビジネス・企業)
管理人特選の最新技術用語やビジネス用語・関連企業を解説しています。時間の許す限りのアップ、今後充実を目指します。
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