タンケンシールセーコウ(東京都大田区、和田正人社長)は、多孔質(ポーラス)カーボン素材を活用した搬送用ロールで、高精細フィルムの非接触搬送を実現した。一般的な金属やゴム製のロールと比較して摩擦による傷やシワが付きにくい。光学系フィルムの製造ラインに採用実績があるほか、成長産業のペロブスカイト太陽電池向けでも引き合いがあるという。日本国内のほか中国や韓国を中心に採用を広げる。
多孔質カーボン素材の搬送用ロール「エアベアリングロール」を活用。数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の無数の気孔から空気を送りながら吸引することでフィルムとロールの間に強固な流体膜をつくり、ロールに非接触の状態でフィルムを搬送する。プラスマイナス5マイクロメートルの精度でたわみやうねりを防ぐ。「フィルムの高精細化に伴い、いかに傷を付けないかの要求が高まっている」(羽鳥暢崇PCP事業部事業部長)とし、歩留まり向上にも寄与する。