ASUSの沈振来執行長(CEO)は30日の業績説明会で、タブレット型パソコンの来年の目標出荷台数を最低1,000万台とし、ノートPCとタブレットPCの合計台数でアップルに次ぐ世界2位を目指すと表明した。「タブレットは勝者総取りの市場」との認識の下、アンドロイドOS(基本ソフト)機を主力に攻勢をかけていく。31日付電子時報などが報じた。
ASUSはグーグルとのダブルブランドの低価格タブレットPC「ネクサス7」の売れ行きが好調で、今年通年のタブレット出荷台数は630万台と、昨年の180万台から3.5倍へと拡大する見通しだ。来年1,000万台を実現すればタブレット分野で「非アップル陣営」の首位となる。
 タブレットPC市場では11月にグーグルとサムスン電子による10インチ「ネクサス10」、来年第1四半期にマイクロソフトの自社ブランド機「サーフェス」の発売を控えており、さらなる競争激化が予想されている。しかし沈執行長は、「トランスフォーマー」10インチ機種の価格性能比を引き上げて迎え撃つと語った。その上で、グーグルと緊密な協力関係にあり、独自の 研究開発(R&D)設計、販売網の強みを持つため、ライバルがASUSに打ち勝つのは困難だと指摘した。



 一方、ウィンドウズ8タブレットについては、需要が明らかになるのは来年になってからとの見方を示した。ウィンドウズ8機種では業界3位以内が目標だ。
 タブレットへ注力する結果、来年下半期にはタブレットで上げる利益がノートPCに接近するとみている。
 タッチパネル機能搭載ノートPCでは、来年世界一になることが目標だ。先週発表した「ViboBook」は9月末までに50万台を受注しており、沈執行長は、ノートPC出荷台数全体に占めるタッチ機種の割合は今期20%(100万台以上)と、業界平均の5%を大きく上回ると説明した。さらに、来年末には50%まで拡大するとの見通しも示した。
 ASUSは第3四半期、和碩聯合科技(ペガトロン)と完全分社化した2010年6月以降で、連結売上高や純利益が過去最高となった。
 連結売上高は前期比18%増の1,114億3,600万台湾元(約3,040億円)。純利益は67億1,400万元で、前期から39%増と大幅に拡大した。証券会社によると、第4四半期は前期比5~10%の増収が期待でき、過去最高を更新する見通しだ。