液晶パネル大手、友達光電(AUO)は4日、9月から実施している組織再編に伴い、希望退職を募る形で約100人を対象に人員削減を進めていることを明らかにした。同社は8四半期連続で赤字を計上しており、彭双浪総経理は先日、低迷の続く太陽電池事業での人員削減を示唆していた。台湾ハイテク業界では下半期以降、従業員のリストラが相次いでおり、DRAM、発光ダイオード(LED)、ノートパソコン、バックライトモジュール、液晶パネル、タッチパネルと幅広い業種に及んでいる。5日付工商時報などが報じた。
蕭雅文・同社行銷推広処長は、ディスプレイ事業本部および太陽電池事業本部を廃止する「集中と簡素化」の組織再編の一貫で、従業員の配置転換を試みたが、一部は適切な異動ができず、希望退職を募るしか方法がなかったと説明した。同社従業員1万8,000人のうち異なる部門の約100人を対象とし、随時告知していく予定だ。同社は、労働基準法(労基法)の人員削減規定より好条件を提示すると強調した。
蘋果日報に投書した龍潭工場(桃園県)に勤めていた従業員は2日、突然幹部から人員削減を告げられ、その段階で既に私物がまとめられていたという。対応に当たった幹部は、今年数百億台湾元(1台湾元=約2.75円)の損失を計上する状況の下、各工場の各部門で少なくとも3人のエンジニアを人員削減の対象とし、16日までに削減を完了すると説明を受けた。同時に「これは希望退職で、他に選択肢はない」と告げられたという。同従業員は「5年も働いてきたのに、ひどすぎる」と訴えた。
証券会社は、同社は先日自社開発したIGZO(酸化物半導体、イグゾー)をはじめとする新技術を発表したほか、大口の受注を獲得したとみられ、第4四半期に損失が大幅に縮小すると分析しているが、年末までに人員削減の拡大や無給休暇などが実施される可能性もあるとの見方を示した。
最近、業績不振による台湾ハイテクメーカーの人員削減が後を絶たない。DRAMの茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)の1,360人を筆頭に、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)がノートPCの販売不振で台湾の全従業員の約3%に当たる158人、タッチパネルモジュールの和?光電(ハンスタッチ・ソリューション)も後工程部門の200人を削減した。
証券会社は、景気は来年第1四半期に底打ちするとの見方だが、それまでの間に無給休暇や人員削減が引き続き行われる可能性を示唆した。
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