フィリップスエレクトロニクスジャパンは、FPD International 2012において、ディスプレイの裸眼3D化技術について紹介した。現在、同社は3D関連のパテントを200以上に絞った形でIPビジネスを展開中。このうち、RGBに蒲鉾型のレンズの位置をずらして貼り合わせる「Fractional Lenticular Lens」や、RGBの整列位置に対して、蒲鉾型レンズの整列を斜め状に各RGBにまたがった位置で貼り合わせる技術などを紹介した。これにより、従来の3D技術で課題となってきた明るさのむらやモアレを解消するという。



この他、LCDを封止したレンズ表面にPIを成膜し、ITO電極で挟み込むパネル構造により、2D/3Dの切り換えを容易にする「3DSwitchable Lenticular Display Technology」など、同社の持つディスプレイの裸眼3D化技術の一端を紹介する出展内容となった。会場では、これらのIPを採用したクアッドフルHD(3840×2160画素)の4K2K対応3Dディスプレイを実機展示。3D視野角となるConeについては、従来の15視点から28視点へ拡大し、実用視野角は120度となっている。同社の元社内ベンチャーでスピンアウトした蘭DimenCoが、FPGAなどを用いた3D切り換え用レンズモジュールの製造を担当。「これを使えば、LCDはもちろん、PDPや有機ELも裸眼3D化が可能」(知的財産・システム標準本部 システム標準部 部長 黒田直祐氏)としている。