偏光板
タブレットPCやスマートフォン市場の成長により薄型ソリューションへの要求は強い。これと共に様々な組み合わせの偏光板が登場しており、薄型PVAの採用やTACフィルム代替の動きが活発だ。
特にLCD史上不可能と思われたTAC代替用薄型アクリルフィルムの採用が見えてきた。
アクリルフィルムについては、今までIPS用偏光板補償フィルムのZ-TACの代替フィルムに採用されてきたが、最近ではプレーンTACフィルムを代替する動き 出てきた。すでにタブレットPCなどの中小型アプ リケーションに採用され始め、来年にはアクリル表面処理の登場も期待される。
図の円グラフで、偏光板メーカー別出荷シェアが分かる。



LG化学、日東電工、住友化学の大手3社のシェアが80%に達する。この3メーカーの生産能力、部材フィルムの需給能力、価格競争力からして三強体制が続くと見られる。また、これらメーカーが率先してアクリルフィルムを採用しているため、アクリルフィルムは将来性が高くこれらメーカーの競争力も継続的に維持されるものと考えられる。

なお2012年第2四半期の偏光板市場は、前期比11%増の24億8,700万ドルとなったが、前年同期比では2%増に過ぎなかった。2012年、年間では前年比5%増の100億ドルに達すると見込まれ、このうち、大型TFT-LCD用偏光板市場は全体の79%の80億ドル、中小型TFT-LCD用偏光板は18%の18億5,700万ドルになると予測される。特に、今年第4四半期にはAMOLED TV 市場の出荷が見込まれ、新規フィルムの開発と採用も活発化している。今年のMOLED用偏光板市場は全体の約1%の1億4,600万ドルなると予想され、2016年には全体の6%まで成長し、金額ベースでは8億ドルの市場規模が期待される。