LCDTV需要は、画面サイズの大型化が進んでいるものの、出荷台数の伸びは鈍化している。TV市場の停滞に伴いTV用パネルの需給は弛緩すると見られていたが、特定サイズを中心にタイト感を帯び始めている。
特に7世代、7.5世代ラインから生産される40”/42”パネルは画面サイズの大型化に伴い、中国を中心に需要が拡大している。その中で、台湾パネルメーカーが7.5世代から50”パネルの生産を強化してきたことから、7.5世代ラインから
生産される42”パネルの供給は不足傾向が続いている。一部のメーカーは8.5世代ラインから40”/42”パネルの生産を行うが、基板利用効率が低いため、本格化するか不透明である。



また、ここにきて不足傾向が強くなっているのが32”パネルである。
大手パネルメーカーは採算性の低い32”パネルの生産を控えているが、2012年は中国のパネルメーカーが32”パネルの生産を中心に8.5世代ラインを立ち上げてきたことから、比較的需給は安定していた。しかし、2012年下期になり
中国パネルメーカーの能力の拡大がひと段落し、さらに2013年にかけて中国パネルメーカーが32”以外のパネル生産を強化してくる方針を打ち出している。
加えて中国パネルメーカーは中国ブランドへのパネル供給を強化することから、グローバルブランドに32”パネルが回りづらい状態となっている。これら従来の主力サイズの需給が不安定となっているのに対して、パネルメーカーが提案する新しいサイズのパネル供給が拡大している。2011年下期から2012年にかけて、5.5世代ラインから生産される28”/58”、6世代ラインから生産される39”、7.5世代ラインから生産される50”、8.5世代から生産される29”など基板利用効率を優先したサイズが次々と提案されてきた。テレビメーカーも、これらニューサイズを積極的に採用する計画であるが、サイズによっては入手できるパネルメーカーが限定されるため、パネル調達に苦戦するケースが見受けられる。