フレキシブルプリント配線板(以下、FPC:Flexible Printed Circuits)は、硬質配線板(PWB)に対する、いわゆる“柔軟な配線板”の総称ですが、その歴史はPWBと比較して非常に短く、50年弱に過ぎません。FPCの原形は、1960年代に米国において航空宇宙機器や軍事用機器用途の特殊配線板として開発されました。日本では60年代後半より、米国FPCメーカーの基本技術供与によりFPCの開発・製造を開始し、1970年代に国内で本格的に小型民生電子機器に採用され、市場は急成長を遂げました。今日でもスマートフォンやタブレットをはじめ様々な小型電子機器に採用され、さらに技術的進化を続けています。
こうしたFPCへのニーズの源は、柔軟なプラスティックフィルムで構成されているために「静的曲げ(折り紙機能)」と「動的曲げ(摺動機能)」の2つの機能を併せ持ち、小型電子機器の「軽薄短小化」要求にマッチングした点にあります。しかし、近年は単なる“曲げ”や“柔軟性”の機能のみならず、機能モジュールとしての要求も高まっています。具体的には、1.高放熱性、2.透明性、3.形状保持性、4.伸縮性、5.高速性などへの要求が挙げられ、これらの新機能は従来の小型民生電子機器(スマホ、タブレットなど)以外にも、メディカル・ヘルスやサービスロボットなど高齢化社会への対応、車やLED照明、デジタルサイネージ、LED-TVなどの分野への応用も期待されています。
スマートフォン・タブレットの主構成部品としてのFPCの技術動向を注視する必要があります。
スマートフォン・
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