小売り世界最大手、米ウォルマートがスマートフォン、iPhoneシリーズを最高48%引きで販売すると発表し、在庫処分との見方が再浮上した。鴻海科技集団(フォックスコン)など、これまでのようにアップルのサプライチェーン入りが好業績に直結するとは限らない恐れが出てきた。一方、アップルは17日、中国でiPhone5が発売3日で200万台以上の、過去最高の売れ行きになったと強調した。18日付経済日報などが報じた。
ウォルマートは30日間限定の割引キャンペーンと銘打ち、通信キャリアのベライゾン・ワイヤレス、スプリント・ネクステル、AT&Tとの2年契約の条件で、16GB(ギガバイト)のiPhone5を33%引きの127米ドルとする。16GBのiPhone4Sは48%引き、タブレット型パソコン、iPadは20%引きだ。
Performance
アップル株の米株式市場での連日の下落を受け、鴻海精密工業、大立光電(ラーガン・プレシジョン)、台郡科技(フレキシウム・インターコネクト)など台湾サプライチェーンの銘柄も株価ボードで下落を示す緑一色となり、「青りんご」とささやかれている。鴻海の株式は17日、前日比4.30台湾元下落の87.20元(約250円)となり、2日間で時価総額が1,000億元以上減少した。
市場のムードを感じ取ったのか、アップルは17日、自ら販売状況を発表。iPhone5は年内に100カ国・地域で発売する予定で、iPhoneシリーズで最も速いペースだと強調した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は中国で非常に好評だとコメントした。
ただ、中国の販売店では発売当日の14日、各色・容量のiPhone5がすべて並び、購入個数制限がなかった。iPhone4やiPhone4Sが中国で発売された際、30分で売り切れたと発表したのとは大違いだ。
証券会社は、従来の機種は供給不足だったが、iPhone5は日米などでの9月の発売当初に良品率が低くて出荷が遅れた分、良品率が向上した現在は需要を十分に満たせているためだと分析した。来年第1四半期は出荷量が減少するが、驚くことではないと指摘した。
iPhone5の出荷台数は今年第4四半期の4,400万台から来年第1四半期は2,600万?2,800万台に、第2四半期は2,200万台まで縮小すると予測されている。業界関係者は、現在の在庫積み増しは、休日出勤手当が必要な春節(旧正月、来年は2月10日)連休期間や、春節明けの労働者不足を見込んだ動きとの分析を示した。
Comment
コメントする