Acer Tabletパソコンブランド大手、宏碁(エイサー)は8日、7インチディスプレイ搭載の格安タブレット型PC「Iconia B1」を発表した。価格は129~149米ドル、国・地域によっては販促セールに合わせて99米ドルで発売する。タブレット市場で出遅れていた同社が、巻き返しをかけて最低価格を打ち出したもので、他社が追随することでタブレット市場が超低価格競争に突入するとの見方が出ている。9日付工商時報などが報じた。


Iconia B1は、当初はアジアおよび南米市場で、今月から2月にかけての発売を予定している。OS(基本ソフト)にはアンドロイド4.1を採用し、聯発科技(メディアテック)の1.2ギガヘルツ(GHz)デュアルコアプロセッサーを搭載する。ディスプレイの解像度は1,024×600ピクセル、記憶容量は8ギガバイト(GB)で、華碩電脳(ASUS)の「ネクサス7」や米アマゾン・ドット・コムの「キンドル・ファイアHD」(ともに199米ドル)と比較するとスペックが見劣りするため、消費者の反応を懸念する声も 出ている。これについて翁建仁エイサー世界総裁は、他社のタブレットと使用感で差を感じることはないと説明。タブレットPC初心者や子どもなどの入門市場や、サラリーパーソンの携帯用などのニーズを見込む。

 エイサーは超低価格タブレットPCを発売するとの観測が昨年12月中旬に浮上していたが、今回の発表に当たり大々的な宣伝を行わなかった。「利益を犠牲にする」との社内の批判に配慮したためとみられている。エイサーは、ASUSが同様の価格帯の機種を準備しているとの情報に基づき、今回先行したが、ASUSがいったん延期したため、あえて大規模な宣伝を行う必要がなくなったようだ。