旭硝子は財務の健全性を示す負債資本倍率(DEレシオ)を、2014年12月期末に0.5倍(前期末見通しは約0.6倍)に引き下げる方針だ。液晶テレビ用ガラスの投資が一巡し、財務改善につながる。

 旭硝子は液晶ガラスの成長鈍化に伴い、既存設備の生産性を引き上げることで、投資額を極力抑える対応を取っている。前期の設備投資額の伸び率は前年比約1割と、従来の3割増よりも低くなった。今期以降も投資の効率化に取り組む。



投資を抑える一方で、需要が増えているスマートフォン用ガラス「ドラゴントレイル」などで収益力を回復する。純現金収支の改善により、現在、約5000億円ある有利子負債の返済を進める。

 旭硝子の負債資本倍率は07年12月期まで0.5倍台だったが、金融危機の08年12月期に0.8倍弱に上昇した。前期(推定)まで2期連続の減益と厳しい局面が続いたが、液晶ガラスの固定費削減やスマホ用など新事業の拡大で、今期から収益を回復軌道に乗せる考え。これに併せ、悪化していた財務の改善も進める。