CID (Center Information Display)は、自動車の運転席前面に配置される情報ディスプレイのことをいう。
カーナビの地図表示を主な用途として搭載されてきた。しかし、最近は車載カメラの搭載によるパーキングアシスト機能や空調操作・燃費情報を表示するマルチファンクションディスプレイとして高度化しつつある。
国内では、カーナビ用として新車販売の70%以上にCIDが搭載されており、軽自動車以外の車種への搭載は飽和傾向にある。一方、海外市場では、2012年にトヨタやGMがCセグメント※へのCID搭載を開始した段階であり、将来的な成長の余地は大きいと見込まれる。

※Cセグメント…車両全長が4,200mm~4,500mm、販売価格が250万円~300万円前後の車種を指す。Golf以外ではトヨタ/Auris、ホンダ/Civic、Ford/Focus等が代表車種



トヨタやGMに続いてCセグメントへのCID搭載を加速させるのは、Volkswagenの新型Golfである。2012年にフルモデルチェンジしたGolfは、5”モノクロ(標準搭載)、5.8”W、8”W(メーカーオプション)のいずれかのディスプレイを搭載する。2012年11月に欧州で発売されたのを皮切りに、2013年に世界各国で販売する予定である。
GolfへのCID標準搭載は、同社が推進する自動車電装品のモジュラー化の一環であり、Golfと共通仕様のCIDが上位セグメントでも搭載される予定である。Volkswagenは、中長期的に900万台から1,000万台へ販売台数の拡大を見込んでいる。同社は、他社に先駆けてInstrument Clusterで小型のTFT-LCDを採用したハイブリッド型クラスターの実績があることから、車載ディスプレイ市場の中でも大きな注目を集めている。

[参考記事] 
車載ディスプレイ市場動向  スマートフォン連携機能



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