単結晶サファイアはその優れた機械的・熱的特性,化学的安定性,光透過性等の特徴があるが、従来高価で大量生産が出来ないという
理由から飛躍的な普及には至っていなかった.
しかしながら,近年の技術の進歩により,安価でかつ安定量産を実現することが出来るようになってからは,単結晶サファイアは広く工業材料として普及するようになった.
特にFPD業界でサファイア基板は、LED(Light Emitting Diode)素子のGaN結晶成長用基板として使われるようになり事業としても急激に成長している。
サファイアはアルミナ(Al2O3)の単結晶で、シリコンのようにCZ法(Czochralski法)で引き上げることも出来るが、後の加工が楽なのでEFG法(Edge-defined Film-fed Growth法)がよく用いられる。
これはリボン結晶とも呼ばれ、図左のようにAl2O3溶液がスリットを通って上昇し、連続的に引き上げるとリボン状の単結晶になる。
結晶欠陥の密度は、CZ法が少なくて優れているが、LEDの性能に余り大きくは影響しない。
また、サファイア基板は、結晶軸を少し傾けた方が平坦度の良いGaN層が得られる。このオフアングル(Off Angle)は、0.15~0.2度程度がよく、図右のような表面の構造になっている。
[参考]単結晶サファイア基板 -- セラミックスアーカイブス
インゴットのサファイアをウェーハという基板の状態にするため、薄くスライスし、平坦に加工する。まず、品質要求に応じて選定や欠陥検査、極性、方位測定などを行う。その後、厚さや結晶方位に最適な条件に合わせ、マルチワイヤーソー装置で厚さ1mm程度にスライスする。
マルチワイヤーソーはダイヤモンド粒が付着した細いワイヤーを動かすことで切断する。一回の加工で複数の基板を切断でき、材料のロスが少なく、大量かつ高精度に処理できるため、主流の製造法です。切断時間は2インチのウェーハで3時間かかると言われている。
スライス処理の前後において、インゴットもしくは基板の状態で熱処理を行います。結晶特性の維持と回復のためであり、基板の反りをなくし平坦性が維持できる他、電子分光レベルの清浄度が向上する。
スライスされた基板は表面の凹凸をなくすため、研磨加工が施される。サファイアは材料が硬く、半導体用のシリコン基板の加工法とは異なる方法が求められる。現在は、銅やすずのブレードとダイヤモンドを利用している。ラッピング装置では基板の表と裏を研磨材で磨き、スライス痕や表面の損傷を取り除く。また、加工時のストレス集中による欠けやチッピングを防止するため、ウェーハを円形に加工し、機械強度や弾性強度を向上させる。
次はCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程。この工程も研磨だが、より厳密に平坦化する工程である。スラリーという研磨液を基板上に流しパッドで磨き、ウェーハ表面を鏡面状態に仕上げていく。
CMP後は表面の有機物や金属などのゴミを除去するため、酸・アルカリ・有機溶媒を調合した薬液を使い、基板を洗浄する。最後に厚み、平坦度、傷、抵抗値、純度などの項目を目視検査や装置検査で品質を判断し、出荷される。
マルチワイヤーソーはダイヤモンド粒が付着した細いワイヤーを動かすことで切断する。一回の加工で複数の基板を切断でき、材料のロスが少なく、大量かつ高精度に処理できるため、主流の製造法です。切断時間は2インチのウェーハで3時間かかると言われている。
スライス処理の前後において、インゴットもしくは基板の状態で熱処理を行います。結晶特性の維持と回復のためであり、基板の反りをなくし平坦性が維持できる他、電子分光レベルの清浄度が向上する。
スライスされた基板は表面の凹凸をなくすため、研磨加工が施される。サファイアは材料が硬く、半導体用のシリコン基板の加工法とは異なる方法が求められる。現在は、銅やすずのブレードとダイヤモンドを利用している。ラッピング装置では基板の表と裏を研磨材で磨き、スライス痕や表面の損傷を取り除く。また、加工時のストレス集中による欠けやチッピングを防止するため、ウェーハを円形に加工し、機械強度や弾性強度を向上させる。
次はCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程。この工程も研磨だが、より厳密に平坦化する工程である。スラリーという研磨液を基板上に流しパッドで磨き、ウェーハ表面を鏡面状態に仕上げていく。
CMP後は表面の有機物や金属などのゴミを除去するため、酸・アルカリ・有機溶媒を調合した薬液を使い、基板を洗浄する。最後に厚み、平坦度、傷、抵抗値、純度などの項目を目視検査や装置検査で品質を判断し、出荷される。
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