液晶パネル大手、友達光電(AUO)の彭双浪総経理は6日、今年は現行のフルハイビジョン(フルHD)の約4倍に当たる4K解像度(ウルトラHD)パネル搭載液晶テレビが大きく成長する1年と指摘。同社は1年以上にわたる量産経験で、4K大型パネルの良品率は60~65%に達しており、出荷枚数を大幅に伸ばすとの見通しを示した。7日付電子時報などが報じた。
彭総経理によると、AUOは2011年第4四半期から4Kパネルの量産を開始。複数の大手テレビブランドと提携し、技術面で他社をリードしている。4Kパネルは第8世代ラインで55インチを、第6世代ラインで65インチを手掛け、ガラス基板から効率的に切り出すことに成功し、55および65インチの大型液晶パネルの2割を占めるようになった。また、65インチでは世界市場の8~9割を占めている。今後の課題は、良品率のさらなる向上で、80~85%まで引き上げたい考えだ。また価格もフルHDの1.9~2倍のため、年末までに1.5~1.6倍までへの縮小を目指す。



蔡国新AUO副総経理は、今年の50インチ以上の液晶テレビ世界市場は約3,000万台(全体の15%)に上り、5%に当たる約150万台が4Kパネル搭載テレビになるとみられ、これに向けての供給を目指すとの考えを示した。月産能力10万~20万枚の計算になるが、達成に自信を持っている。また、現状では50インチ以下の4Kパネルは開発しない方針だ。
AUOは昨年第4四半期、液晶テレビ用パネルの売上高構成比が5割で、今年も引き続き利益獲得の主力になるとの見方だ。今年はアジア・太平洋、アフリカ、中東、ラテンアメリカなどの新興市場で、フラットテレビ出荷台数が1割成長し、液晶パネルの出荷面積は全体で11%増となる見通しだとして、パネル市場は昨年より期待できるとの考えを示した。
 同社は今年、タブレット型パソコンの出荷台数が2億5,000万台と46%の大幅成長を遂げ、ノートPCを初めて上回ると予測した。また、スマートフォンは、日韓、欧米、中国の3市場を軸に展開し、世界全体での出荷台数は10億台に達するとの予測を示した。タブレットPC搭載パネルの高解像度化や、スマートフォンディスプレイの大型化もあり、中小型パネルの単価上昇が利益獲得の大きなチャンスになるとの見方だ。
 AUOが同日発表した第4四半期の業績は、連結売上高が前期比3.3%減の994億台湾元(約3,100億円)、純損失は131億7,200万元と赤字は9四半期連続となった。大型パネルの出荷枚数は前期比6.7%減の約3,100万枚、中小型パネルは同10.8%減の約3,760万枚だった。