jdi-display mihiraki [2016年12月13日更新] ..しました。
(更新内容: "2016年12月13日、Jディスプレイ、液晶と有機EL統合 JOLEDを子会社化"を反映しました)



1.概要

①産業革新機構(以下INCJ)主導で、日立製作所、ソニー、東芝の中小型ディスプレイ事業(日立ディスプレイズ、ソニーモバイルディスプレイ、東芝モバイルディスプレイ)の統合会社として2012 年4 月1 日に設立された。一時はシャープの参加も検討されていた模様。ソニーと東芝の2 社統合で話が進められていたが、その後日立製作所が加わり、2011 年8 月の正式発表となった。

②資本金は2,200 億円、出資比率はINCJ が70%、他3 社が各10%。2014年1─3月期にも株式を上場(IPO)を目指している。

③2012 年4 月の発足前には3 社合計で7,600 名の従業員がいたが、生産部門と間接部門のリストラを行い、6,200 名体制でスタートした。
2013 年3 月をメドに製品ラインアップの統合や生産体制の再構築が進められている。その一環としてパナソニック液晶ディスプレイより譲渡を受けた茂原G6工場をLTPSラインに改造し13年3Qの稼働を目指している。2013年6月に稼働開始した。また3 社統合のITシステムとしてクラウドサービス「TechnoCUVIC」(テクノキュービック)が採用された。

④製品戦略は、「400ppi 以上の超高精細LTPS」を武器としたハイエンドスマートフォン向けを主軸としている。スマートフォンのパネル生産に300億円(US3億6550万ドル)を投資し、4.5世代工場で2015年初までに1ヶ月当り470,000枚以上のガラス基板投入量の生産体制に拡張することが伝わっている。
タブレット用 液晶ディスプレイモジュールのラインナップも整備を進めておりULMTRシリーズとして7.0型(対角17.8cm)WXGA(800x1280 pixel)、9.0型(対角22.9cm)WXGA(800x1280 pixel)、10.1型(対角25.7cm)WUXGA(1920x1200 pixel) を発表している。
また2013年FPD展にて、世界最小タブレット用12.1"4K2Kのパネルを発表した。

⑤AMOLED の開発も行っており、2012 年度上期にサンプル出荷、2013 年に量産化の判断をしていくものと思われる。  2014年春に試作ラインの稼働を予定している。 

⑥技術面では超高精細の他、IPS(IPS-NEO/光配向)、インセルタッチパネル(Pixcel Eyes)、RGBW による省電力化(White Magic)など。スマートフォン向けの5" FHDパネルで業界をリードしていく目論見。

⑦2013年4月に子会社だったジャパンディスプレイセントラル・ジャパンディスプレイイースト・ジャパンディスプレイウエストを統合した。

⑧パナソニック液晶ディスプレイより譲渡を受けた茂原G6工場のLTPSライン改造が2013年6月に完工、稼働開始した。生産能力は月産2万4000シートで、2014年には同5万シートに引き上げていく計画である。

⑨2013/9/13、2013年度内に東京証券取引所に上場する方針を固めたとマスコミで報道された。実現すれば時価総額が7千億円規模の大型上場となる。

⑩2013/10/23、台湾販社を設立すると発表新会社の台湾顕示器(台湾ディスプレイ、TDI)は資本金3,000万台湾元(約1億円)。JDIが100%出資する。台北市内湖区に設立し、2013年内に事業を開始する予定としている。

⑪2013/12/19、100%子会社の台灣顯示器(Taiwan Display/TDI)を通じて、台湾の液晶ディスプレイモジュール製造会社である中日新科技(Star World Technology/STC)の発行済株式の約80%に相当する普通株式を、第三者割当増資により取得することを決定。STCをTDIの子会社(JDIの孫会社)とし、中国の深セン市にもTDIの子会社を設立すると19日に発表した。これら2社は、いずれもJDIの連結子会社になる予定。

2014/3/19 ジャパンディスプレイは、東証一部上場を果たした
調達した資金は、2014年3月期に実施予定の茂原工場(千葉県)の第6世代(6G)ラインへの投資に加え、2015年3月期に月産5万シートに増強するために338億円、能美工場(石川県)の第5.5世代(5.5G)ラインを月産2万5500シートに増強するために32億円をあてる計画。

2013年中小型液晶の出荷金額シェアは、ジャパンディスプレイ(JDI)が56億7000万ドルで16.2%を獲得しトップ。2位はシャープで52億8400万ドル(15.1%)、3位が韓国LG Displayで49億9200万ドル(14.2%)となった。

2015年3月6日、1700億円を投資し(多くはアップル出資)工場建設すると発表した。

2015年5月25日、白山市竹松町に建設する新工場の起工式を行った。

2016年3月17日、東浦工場の第3.5世代ライン廃止、茂原工場第4.5世代ラインも停止と発表した。

2016年10月18日、白山市に建設していた新工場の完成式典を行った。

2016年12月13日、Jディスプレイ、液晶と有機EL統合 JOLEDを子会社化


2.会社業績

【業績推移:  額は億円】
決算期
売上高
営業利益
経常利益最終利益
1株益(¥)
売上営業損益率
発表日
13.10-12
161782
8969
34.7
5.1%
-
14.1-3
1318
55
43
43
1.7
4.2%
14/5/15
14.4-6
1251
-127
-169
-168
-28.0
-10.1%
14/8/07
14.7-.9
1604
-76
-55
-109
-18.2
-4.7%
14/11/13
14.10-12
2511
147
183
191
31.9
5.9%
15/2/12
15.1-3
2326
251
107
-36
41.8
10.8%
15/5/13
15.4-6
2461
22
-1
-5
3.7
0.9%
15/8/7
15.7-9
2617
83
18
1
3.0
3.2%
15/11/9
15.10-12
3050
133
8247
7.8
4.3%
16/2/8
16.1-3
1763
-71
-228-362
-60.0
-4.1%
16/5/12
16.4-6
1743
-34
-142
-118
-19.6
-2.0%
16/8/9
16.7-9
1966
12
-63
-49
-8.2
-0.6%
16/11/9
16.10-12









保存保存保存保存保存保存保存
3.生産ライン (前工程ライン)

【生産ライン】
名称 技術 ガラスサイズ 設立年 生産能力
茂原(V2) a-Si 650x830 1997
2012年閉鎖
40k
茂原(V3) a-Si/LTPS 730x920 2001
2016年閉鎖
75k
東浦#1 LTPS 600x720 1999
2016年閉鎖
20k
東浦#2 LTPS 600x720 2002
2016年閉鎖
20k
野洲 LTPS 550x650 2006
京セラ譲渡済
30k
鳥取T2 a-Si 680x880 2001 54k
深谷M1 ※3
LTPS 400x500 1999
2016年閉鎖
-試作-
深谷M2  ※3
LTPS 550x670 2001
2016年閉鎖
35k
石川C1  a-Si 550x670 2000 27k
石川D1 ※1 LTPS 720x920 2006 43k
能美(加賀)※2 LTPS 1300x1500 2012 20k
茂原 LTPS 1500x1850 2013 24K 
石川・白山市※4,6 LTPS 1500x1850 2016 25K 
jdi-j 2016

JDI拠点 2016 6月


4. 技術

IPS-NEO
  光配向を導入したIPS の進化版で、低視角域でも黒の再現性、均一な高画質表示が可能な技術で、当初は医療用ディスプレイ向けに開発した技術である。車載向けなどのモバイル用途での展開を予定。

White Magic
  ソニーが開発した技術で、RGB に白(White)を加えた画素構成とすることで、パネル透過率を改善する技術である。2012 年に発売されたSMC(ソニー)の"Xperia P"で採用された。2013年FPD展にて性能を開示、注目を浴びた

 

Pixel eyesPixel Eyes (インセルタッチパネル)
 ソニーが開発、量産化した技術で、TFT アレイとカラーフィルタ(裏ITO)にセンサを配置したセミインセル構造のタッチパネル。Apple が開発したインセル(TFT アレイ内蔵)と比較すると、開口率の点でメリットが大きいと思われる2012 年から量産を開始し、Xperia シリーズやHTC で採用されている。




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[参考] ジャパンディスプレイの最新記事⇒  


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