紫外線(UV)硬化樹脂による接着に対応したタッチ・パネル貼り合わせ装置の量産ライン対応機を、FUKが第一実業と共同で開発した。FUKはこれまで、OCA(optical clear adhesive)テープによる接着に対応した量産ライン対応機を出荷してきた。UV硬化樹脂対応については、これまで研究開発用の装置を出荷していたが、今回、スループット向上などを進めて量産ライン対応機とした。
タッチ・パネル貼り合わせ用の接着剤ではOCAテープが使われることが多かったが、UV硬化樹脂はスマートフォンのカバー・ガラスなど裏面に段差がある複雑な形状でも塗り広げやすいことから、ここへ来て需要が増えている。
タッチ・パネル貼り合わせ用の接着剤ではOCAテープが使われることが多かったが、UV硬化樹脂はスマートフォンのカバー・ガラスなど裏面に段差がある複雑な形状でも塗り広げやすいことから、ここへ来て需要が増えている。
UV硬化樹脂を用いたタッチ・パネル貼り合わせ工程では、まずパネルの外周に沿ってUV硬化樹脂を塗布し、「ダム」と呼ばれる封止部を形成する。次に、このダム部を仮硬化した後、パネルの表示部に別のUV硬化樹脂を滴下し、塗り広げる。この塗り広げた樹脂層をフィル部と呼ぶ。
このとき、ダム部の樹脂が表示部にはみ出すと、ダム部とフィル部の境界が表示部に形成され、これが表示ムラの原因になってしまうことがある。同社は今回、「UV硬化樹脂の塗布用に高性能のディスペンサを導入し、ダム部の樹脂がパネルの表示部にはみ出さないように正確な位置に塗布できるようにして、狭額縁化に対応した」。
FUKの装置は、タッチ・パネル貼り合わせのうち、(1)カバー・ガラスとタッチ・センサ基板の貼り合わせ、(2)タッチ・センサ付きカバー・ガラスとディスプレイ・モジュールの貼り合わせ、(3)カバー・ガラスとタッチ・センサ付きディスプレイ・モジュールの貼り合わせ、の三つの用途に使える。(2)は「OGS(One Glass Solution)」などと呼ばれるカバー・ガラス一体型タッチ・パネルと液晶パネルとの貼り合わせ、(3)はインセルやオンセルと呼ばれるタッチ・パネル内蔵型ディスプレイとカバー・ガラスとの貼り合わせである。大気中で基板の端から少しずつ貼り合わせていく同社の貼り合わせ技術「大気Bend方式」は、厚膜を均一に形成できるため、雑音(ノイズ)対策のために一定の距離を取ることが必要なタッチ・センサ基板とディスプレイ・モジュールとの貼り合わせにも向くという。
従来小型液晶に注力していたが大型向けの装置も拡大させていく。
[参考] 半導体産業新聞 FUK 14年度に量産機投入 大型タッチ貼り合わせ装置
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