電卓に採用され、世界で初の液晶技術の製品化という段階まで駆け足でたどってきましたが、ここからいきなり話は飛んで、飛躍的に高画質化した動きを振り返っていきたいと思っています。その中に、技術的にもビジネス的にも大きな変革があり、躍動感あふれるドラマが繰り広げられたからです。
もちろん電卓後、応用製品としてワープロや腕時計・家電機器に採用が広がりビジネス面では大きく発展していきました。しかし純粋に表示素子として技術的に見ると画質はお世辞にも合格とは言えず、仕方なく使っているというレベルのものでした。
例えば、当時のオーディオ機器、特に高級版でもない普及版の製品でも液晶は採用されず蛍光表示管などが使われていました。(今も使われています)
もちろん据え置き型でしたので、消費電力は気にする必要が無かったとはいえ、質感にこだわるオーディオメーカーは、たとえ少し安いとしても、どのメーカーも液晶を採用する気にはならなかったのでした。
もちろん据え置き型でしたので、消費電力は気にする必要が無かったとはいえ、質感にこだわるオーディオメーカーは、たとえ少し安いとしても、どのメーカーも液晶を採用する気にはならなかったのでした。
画質がいまひとつでも持ち運ぶ商品など、低消費電力のために使わざるを得ない商品は液晶を使っていたのでした。
液晶を採用した商品のひとつのワープロ。
日本独自で発展したその商品ライフの後半には、カラー液晶のワープロまで登場したのですが、その画質はひどく(開発に携わったかたにはごめんなさい!)、それでも消費者は、選択肢がそれしかなかったのか、売れ行きはまずまずでした。
各液晶メーカーの改善につぐ改善の苦労があったのでしょうが、今から振り返ると妥協に妥協を重ねた産物でした。
その液晶に対する、ある意味冷たく割り切った扱いの数々や開発に携わった技術者の本心とは裏腹ながら開発せざるを得ない中途半端な思い、その忸怩たる思いを一掃すべく登場したのが、TFT液晶でした。
それは、材料開発から設計・製造・装置開発という膨大な技術の広がりあり、情報の共有から、試行錯誤と改善、成果の共有を効率的に行える日本からしか生まれなかったのでした。
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