中国のソーラーパネルメーカー、サンテック・パワー・ホールディングス の投資家は注ぎ込んだ12億8000万ドル(約1200億円)の資金を失いかねない状況にある。同社は中国の裁判所に提出された主要部門の破産開始手続きに反対しない立場を表明した。
サンテックは約20億ドルの債務を抱え、15日が期限だった社債5億4100万ドルの返済不能に陥った。こうした事態を受けて中国の銀行8行は地元の裁判所にサンテック主要部門の破産手続き開始を求めた。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)ファイナンシャル・サービシズのアナリスト、アンジェロ・ジノ氏は20日のインタビューで、「多くの企業がウォール街の投資家を訪れ数十億ドルを手にした。こうした投資家は最終的に困難な立場に置かれ、何も得られないだろう」と述べた。



昨年12月の当局への申請に基づくブルームバーグの集計によると、サンテックの社債保有額リストの上位にはマウント・ケレット・キャピタル・マネジメントやドリーハウス・キャピタル・マネジメント、パイオニア・インベストメント・マネジメントが名を連ねる。3社の保有比率は合わせて約23%だ。
社外のADR(米国預託証券)保有額 ではルネッサンス・テクノロジーズやインベスコ、シャー・キャピタル・マネジメントが最も多い。これらの社債保有者や株主からはコメントが得られていない。
社債全体の約1%を保有する債権者の代理人を務める法律事務所ウィルマー・カトラー・ピッカリング・ヘイル&ドアのパートナー、ジェームズ・ミラー氏は、中国での破産手続きが米債権者にどのような影響を及ぼすかはっきりしないと語る。マキシム・グループのアナリスト、アーロン・チュー氏は投資家が全てを失う恐れがあるとみている。
プロセスが複雑なのは破産手続きの対象がサンテクの主要部門、無錫尚徳太陽能電力であることだ。同社には中国の法律が適用される。親会社であるサンテックはケイマン諸島で登記している。社債保有者は親会社サンテックの債権者となり、社債の目論見書によると、社債にはニューヨーク州の法律が適用される。