タッチパネルの需要拡大が進む中、注目を集めるのがITOフィルムの需給バランスである。
ITOはタッチポイントを検出するタッチセンサの形成のために不可欠な導電素材である。投影型静電容量方式のタッチパネルではITOガラスの需要が強かったが、昨年発売されたiPad miniにフィルムセンサが採用されたことで、ITOフィルムへの関心が高まっている。
ITOフィルムの供給は、日東電工や尾池工業を始めとした日系メーカーが大半を占めてきた。しかしながら、iPad miniの採用により日系メーカーのITOフィルムの供給が不足傾向となり、海外のITOフィルムメーカーへの注文が増加している。
また、ITOフィルム供給不足への懸念から、ITOガラスやITO代替素材に対する関心が高まる状況となっている。
スマートフォンやタブレットの軽量化・薄型化の要求が高まる中で、フィルムセンサの需要拡大は今後も続くと予測される。ITOフィルムメーカーの増強計画や新規参入などが注目される。