2012年Q4のグローバルの大型TFT液晶パネル生産は、QOQ+3.7%の約7,230万/月であった。アプリケーション別のパネル生産枚数は、タブレット向けがQOQ+19.4%と好調を維持、TV向けもQOQ+7.1%と年末商戦を控え堅調に推移した。一方、IT用パネルは、ノートPCの需要がタブレットに侵食されるという展開になっている。5四半期連続で減産傾向にあったモニター向けはQOQ+2.4%と底打ちしたのに対し、ノートPC向け(ネットブックを含む)はQOQ-8.8%と大きく失速している。
2013年Q1の大型TFT液晶パネル生産は、稼働調整を行うメーカーが多く、全体ではQOQ1割強の減産となる見込みである。特にノートPC、モニターなどIT用パネルの減産が目立つ。TV向けも中国で在庫が多い状況になっていることから、パネル供給価格を含めて弱含みの展開である。タブレット向けもiPad 9.7”モデルやAmazon Kindleなど特定モデルの落ち込みにより、5四半期ぶりにQOQマイナスとなる見通しである。
同年Q2以降の需給の見方に関しては、韓国大手パネルメーカーと台湾パネルメーカーの間に温度差が感じられる。台湾メーカーは「設備増強が頭打ちになっているため、Q3には需給がタイトになる見通し。Q3の需給環境を見越して、Q2後半にはTVメーカーのオーダーがプルインされて、TV用パネルの受注が増加する」と楽観視している。特にInnoluxは強気な稼働を続けている。
一方、韓国メーカーは「マーケット全体の在庫消化には一定の時間を要する」と増産には慎重なスタンスである。2011年頃までは台湾パネルメーカーが需給調整のバッファとされるケースが多かった。しかし、昨年頃から台湾パネルメーカーが戦略的に韓国大手TVブランドへの供給比率を下げ、中国/日系メーカーへの供給割合を増やしている。台湾メーカーの稼働安定には、これら顧客選別の効果が出ている可能性がある。
Comment
コメントする