2013年の偏光板市場において各社が注力しているのが、スマートデバイス向け偏光板の開発や営業の強化である。
スマートフォンやタブレットにおいては、スクリーンの高精細化が重要な要素となっている。特にスマートフォンでは様々なメーカーのハイエンド製品でフルHDパネルの採用が進んでおり、高精細パネルのニーズが急速に拡大している。
高精細パネル用偏光板は、通常品より厚みを20~30%薄膜化した薄型偏光板が採用されるケースが多い。偏光板を薄くすると、光漏れが発生し易くなり、光学フィルムの貼合せや強度の確保が難しくなるなど、光学設計の難易度が上昇する。そのため技術力の高い日系偏光板メーカーが高精細パネル用偏光板の供給を担ってきたが、パネルメーカーの要請により、韓国・台湾の偏光板メーカーも開発に注力している。



スマートデバイス向けの高精細パネル用偏光板は、大型パネル向けより面積規模は小さいが、工程数が増えるため生産量が限定される傾向にある。
偏光板メーカーは需要拡大を見越した先行投資を行っていなかったため、限られた生産能力の中で生産計画の見直しを進めている。高精細パネル用偏光板の中でも販売量が多い製品には優先して生産能力が割当てられることから、高精細パネル用偏光板の採用動向が、偏光板の需給に与える影響が高まりつつある。