神戸製鋼所は有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)製品の性能劣化を防ぐ成膜装置を商品化した。ソーラーパネルや電子ぺーパー用の装置に比べて100倍超の高い封止性を持ち、ロール上で連続処理することで生産性も高い。有機EL向けで同様構造の商品は世界でも初という。照明やテレビなど有機EL製品の実用化が2015年ごろに控えており、装置・部材メーカーなどに採用を働きかける。



 商品化した成膜装置「W60Cシリーズ」は、国内成膜メーカー数社から先行受注した。価格は5億―6億円程度。15年度に年商20億円、20年度に同50億円を目指す。
 同装置は化学気相成長(CVD)を採用したロールコータ(ロール・ツー・ロール成膜装置)で、有機EL素子部を保護するハイバリアー膜をフィルム基板上に成膜する。ロール上で連続して均一に膜付けし、複数のCVD機構を連携させることで、全体の成膜処理速度を高めた。