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中国紙『華夏時報』は5月5日付で、EMS(電子機器受託生産)世界最大手、台湾フォックスコン(FOXCONN=鴻海精密=ホンハイ)が、米アップル(Apple)のスマートフォン「iPhone」を生産する主力工場の中国河南省鄭州工場で2013年4月中旬からワーカーの採用を再開したのは、新型iPhoneや、現行モデル「iPhone 5」の新規受注ではなく、アップルから作り直しを命じられた500万台に上るiPhone 5の生産向けだと報じた。

中国の経済紙『中国経営報』は4月20日付で、アップルが13年3月半ば、フォックスコンに対し、生産を委託しているiPhoneについて、外観がアップルの定める基準に満たないことや、機能上の不良を理由に500万台を返品、作り直しを求めたと報じていた。



中国経営報はさらに、この事態を受けフォックスコンでは13年4月初旬の清明節休暇明けから、iPhoneや関連部品を生産する広東省深セン、鄭州、山西省太原の3つの生産拠点の操業を全面的に停止し、問題の洗い出しを進めたと指摘。その上で、4月15日から生産を再開したとしていた。ただ同紙は、作り直しを命じられた機種や、4月半ばから生産に取り掛かった機種について、iPhoneとするだけで、世代の特定はしていなかった。

フォックスコンでは例年、中国各地の生産拠点で春節(旧正月)明けにワーカーを大量に募集するのが通例になっている。ところが、複数の中国、台湾メディアによると、2013年は春節明けのワーカー採用を全面的に凍結。これについて市場や業界では、同社の主力顧客であるアップルの製品販売が減速したためだとの見方が出ている。

華夏時報の伝えたフォックスコンの内部関係者は、「鄭州工場は4月15日からワーカーの大量募集を再開したが、これはiPhone 5の生産向けだ」と指摘。「ただ、新たな発注ではなく、3月半ばに返品された500万台の作り直し要員としての採用だ」と述べた。

中国紙『第一財経日報』(4月24日付)によると、フォックスコンの?治平スポークスマンは同紙に対し、「製造業の業務フローを理解している人間であれば、不良がここまで膨らむのを放置する工場が存在しえないことは分かるはずだ」と強調。500万台が返品されたといううわさを否定している。