22日付蘋果日報によると、アップルが開発中とされる腕時計型端末「iWatch」を鴻海科技集団(フォックスコン)傘下、中国の富士康国際(FHI)が試験生産を開始した。台数は1,000台未満。ディスプレイにはライテック子会社の1.5インチの有機EL(OLED)パネルを採用する。スマートフォンで受け取ったメール、インスタントメッセージ(IM)などの表示機能のほか、通話機能を搭載すると観測されている。早ければ年末に登場するとの見方が多い。
鴻海の広報担当は、特定の顧客や業務内容についてコメントできないと表明した。
観測によると、「iWatch」は鴻海とアップルが開発している新製品の一つだ。アップルは新バージョンの「iOS」を搭載し、内蔵バッテリーが連続4~5日間使用できるようにしたい考えだ。地図、歩数計、健康関連データのセンサーも取り付ける。
ディスプレイのOLEDパネルは、ライテック傘下の?宝科技(RiTdisplay)が主に供給するようだ。アップルは当初1.8インチを計画していたが、大き過ぎると判断し1.5インチに変更した。タッチパネルはライテックと洋華光電(ヤング・ファスト・オプトエレクトロニクス)の合弁会社、RitFastが生産。タッチパネル・カバーガラス一体型のOGS技術で、薄さを追求する。
腕時計型端末は、携帯電話の登場で、腕時計を装着する人が減ったことを逆手に取ったアイデアだ。ソニーモバイルコミュニケーションズが2010年に先頭を切って1.3インチの「スマートウォッチ」を発売しているが、今年になってマイクロソフト(MS)、グーグル、サムスン電子も開発中との観測が飛び交っている。ノートパソコン市場が縮小、スマートフォン市場が飽和に向かい、タブレット型PC市場が1~2年内に壁にぶつかると予測される中、消費者の購買意欲を刺激する新製品として期待が高まる。
「iWatch」のほか、鴻海はスマートフォン「iPhone」の生産だけでなく、中国で販売、メンテナンス、アフターサービスまで一貫して行えるよう、アップルと交渉しているようだ。生産に関しては、河南省鄭州市の航空港区に川上・川中・川下のサプライチェーンをまとめる計画だ。
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