パナソニックは4日、ソニーと共同開発している有機ELパネルを使ったテレビについて、2016年3月期までの商品化を目指す方針を明らかにした。一方、液晶やプラズマといった他のテレビ用パネルは生産体制を大幅に縮小し、テレビ事業全体の黒字転換を急ぐ。最先端の分野に経営資源を集中し、先行しているLG電子など韓国勢を追い上げる。
テレビなどデジタル製品事業を統括する宮部義幸常務が4日、明らかにした。有機ELパネルの生産まで踏み込むかどうかは「現時点では技術開発レベルまでだ」と話し、量産方法など具体的な計画への言及は避けた。撤退を検討しているプラズマテレビについては「選択肢がいくつもある」と述べた。
液晶パネルは採算が悪いテレビ向けの生産を大幅に縮小する。タブレット用の中小型パネルなど、テレビ向け以外の比率を現在の約5割から今秋には約8割に高める。ただ「すべてをテレビ以外にしようとは思っていない」と強調し、テレビ用パネルの生産からの撤退は否定した。
パナソニックのテレビ事業は前期に885億円の営業赤字となった。機種の絞り込みなどのコスト削減により、16年3月期の黒字化を目指している。
有機ELテレビはソニーが07年に世界で初めて11インチ型を発売したが、価格が高すぎたこともあって普及しなかった。LG電子が今年1月に大型テレビを発売するなど韓国勢が先行している。
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