華碩電脳(ASUS)の施崇棠董事長は17日、タブレット型パソコンは低価格競争に突入し大決戦の到来が迫っているが、同社は高・低スペック機種の両輪体制で今年1,200万台以上を狙うと表明した。下半期に2代目ネクサス7を投入し、タブレットPCの売上構成比をPC業界最高の3割まで引き上げる。18日付工商時報などが報じた。



ASUSは同日開催した株主総会で、配当は19台湾元(約60円)と過去最高だったが、株価(17日終値296元)は振るわず、PC需要は過去19年で最低だと小株主から説明を求められた。施董事長はまず株価下落を謝罪し、タブレットPC市場の生存競争はノートPC以上に厳しいため、短期・長期の戦略が共に重要だとの認識を示した上で、タブレットPC展開を加速すると再表明した。そして、PCは生産性が重視されたが、タブレットPCは娯楽、スマートフォンは交流を中核にそれぞれ進化を遂げていると分析。ASUSは早くから準備を進めており、タブレットPCとノートPC、さらには携帯電話の合体型製品いずれでも市場をリードすると意気込みを示した。
 ASUSは今月初旬、7インチタブレットPC、MeMO Pad HD7(メモパッドHD7)をわずか129米ドルからの低価格で発表した。ASUSのタブレットPCの利益率は極めて低いとの証券会社の見方に対し施董事長は、経済的なモデルだけでなく、ハイエンドモデルも投入し、両輪体制で攻める戦略だと述べた。その上で、グーグルとダブルブランドで好評を得たネクサス7のアップグレード版となる2代目機種を投入する考えを明かした。第3四半期の出荷台数は250万台以上の予測だ。
沈振来執行長は、タブレットPCの利益は全社的な課題で、ノートPCの水準を実現するため、研究開発(R&D)とコスト管理で利益率向上に力を注いでいると話した。ASUSのタブレットPCの売上構成比は現在15~20%で、下半期には20%を超え、30%に届く見通しだ。
 最近話題のウェアラブル端末について施董事長は、重要カテゴリーのため同社も検討しており、普及の際には市場をリードしたいと述べた。アップルが開発中とされる腕時計型「iWatch」やグーグルの眼鏡型「グーグル・グラス」に対しては、改善の余地があると指摘した。