2013年の中小型ディスプレイ市場は、スマートフォン大手の生産調整により、LTPS生産ラインの多くが低稼働で生産をスタートした。
その後、中堅端末メーカー、中国端末メーカーの多くがLTPSを採用した高画素モデルを続々と発表し、4月頃には殆どのLTPS生産ラインが稼働を回復した。
TV製品で高画質というイメージが根付いている「FHD」というスペックは、スマートフォンでも高画質をアピールしやすいキーワードである。2013年のフラグシップモデルの殆どがFHDを搭載していることから、5月頃にはLTPSの供給不足を危惧する声も出始める状況となった。さらに、アジア地域の普及端末はa-Si TFTを採用した大画面モデルが拡大していることから、一部ではa-Si TFTでも供給不足が発生している。
しかしながら、2013年下期には複数の新ラインの立ち上げに加え、ノートPC向けパネル向けの生産能力を中小型パネルに割り当てるケースが増えると予測される。2013年下期の中小型ディスプレイの需給は、このままタイトに推移するのか、再び供給過剰に転じるのか、今後の動向に注目が集まっている。