タッチセンサの透明導電膜向けに、ITOフィルムの需要が拡大している。
タブレットや中国向けのスマートフォンなどがフィルムセンサの採用を拡大しているためであり、タブレットで昨年秋に発売されたiPad miniでフィルムセンサが採用されたことが、ITOフィルムの逼迫に拍車を掛ける形となった。
需要の増加に対応するため、日系フィルムメーカーは急ピッチで設備増強を進めている。また、韓国のLG ChemやMax Film、台湾のGamma Opticalなどが静電容量式ITOフィルムの出荷を開始した。
中国でも大手センサメーカーのO-filmがITOフィルム内製能力の拡大に向けて、積極的に投資計画を立てている。
そのため、静電容量式のITOフィルムの不足はやや緩和される見通しである。しかしながら、ハイエンドのスマートデバイスに用いられるITOフィルムは、薄型・低抵抗の製品が求められる。現状では基材厚み100μm以下、抵抗値150Ω/□といった高スペックのスマートフォン向けITOフィルムは、供給能力が限られている。ITOフィルムは大型になるほど抵抗値の低いフィルムが求められるため、高スペックのITOフィルムは今後も不足傾向が続く可能性がある。
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