大阪大学 産業科学研究所 教授 小林光氏のグループは、PVJapan 2013のアカデミックギャラリーにおいて、テクスチャ面や反射防止膜を不要にする極低反射Si表面の形成技術を発表した。Siの表面上に、過酸化水素水を流し込みながら、ロール状の触媒メッシュを回転させる化学的構造転写法(SSCT)を採用。触媒とSiが接触することにより、Si表面に100nm程度のナノクリスタル層が形成される。
同層をSEMで確認したところ、粒径10nm以下の球状に近い粒子が存在し、これがテクスチャ層や反射防止層を形成しなくても光の反射を吸収する効果がある点が判明した。アルカリエッチングによるマットテクスチャ面を形成した場合の反射率は10%以上なのに対し、SSCT処理を施すと反射率を3%に抑える効果を検証した。単結晶・多結晶いずれのSiでも適用可能としている。