市場調査会社、ディスプレイサーチによると、スマートフォンやタブレット型パソコンの普及に伴い、今年タッチパネルの世界市場全体での出荷枚数は15億7,000万枚と、前年比で19%拡大する見通しだ。タッチパネル市場は携帯電話、タブレット用が全体の85%以上を占める一方、今年はノートPC用のシェアが2.3%となり、割合は低いながらも新たな市場として確立する見通しだ。30日付工商時報などが報じた。
アップルがタッチパネル搭載製品ブームをリードして以来、携帯電話(特にスマートフォン)やタブレットPCがタッチパネル市場の主流となっている。2012年の両製品向けシェアは合計85.9%で、今年はさらに同86.3%に拡大する見通しだ。
携帯電話市場では今年、スマートフォンの出荷シェアがフィーチャーフォン(従来型の携帯電話)を初めて上回り55%に達する見通しで、携帯用タッチパネルの出荷枚数は約11億3,000枚(同16%増、シェア71.5%)を見込む。また、スマートフォンの大型化に伴い、4インチ以上の出荷シェアは59.5%に拡大。5インチ以上は12.9%と急速に成長している。
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携帯電話市場を上回る成長を続けるタブレットPC市場は昨年、各メーカーが7インチ前後の低価格機種を投入したことで需要が拡大。出荷台数は1億5,900万台だった。今年は2億3,200万台と前年比46%の大幅増を見込む。これに伴いタブレットPC用タッチパネルの出荷シェアは14.8%に拡大する見通しだ。
一方ノートPC向けは、約3,600万枚でシェアは2.3%にすぎないが、携帯電話、タブレットPCに次ぐ市場に成長し、出荷面積ではシェア11.9%に上る。昨年下半期にマイクロソフト(MS)がタッチパネル機能を強化した基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」を発売したことで、出荷量増加につながったが、タッチパネル搭載機種の売れ行きは予想を下回っている。ただ、販売価格が徐々に引き下げられ、消費者にウィンドウズ8が浸透してきている他、マイクロソフトが一部小型製品でウィンドウズ8の使用権料を引き下げ、インテルが新CPU(中央演算処理装置)「ハスウェル」を発売するなど、タッチパネル搭載ノートPCのシェア拡大に向けた好材料もそろってきているため、ノートPC向けタッチパネルも今後出荷が増える見通しだ。
タッチパネル搭載ノートPC市場の展望について各ブランドメーカーは慎重な姿勢だが、台湾市場のタッチパネル搭載機種の受け入れ度について「世界平均を上回る」と各社口をそろえる。
現在タッチパネル搭載機種の世界市場での浸透率は8~10%ほどだが、ASUSの林福能総経理は台湾市場は20%に達していると分析。自社製品は既に20%以上がタッチパネル搭載機種だという。ヒューレット・パッカード(HP)の場合、台湾市場での搭載比率は一般家庭用で80%、ビジネス用は20~30%で、平均すると50%に達している。
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