韓国SamsungグループのCheil Industries(ハングル名は第一毛織の意)社は2013年8月9日、ドイツNovaled社の株式の約50%を2億6000万ユーロ(約330億円)で取得し、同社を買収すると発表した。同時に同40%を韓国Samsung Electronics社が取得する。残る10%は、2011年9月末に韓国Samsung Venture Investment社が出資していた分で、この結果、Novaled社は完全にSamsungグループの傘下に入ることになった。
Cheil Industries社はSamsungグループのアパレル事業や関連する化学材料の開発を担当しているメーカー。2007年に有機EL材料の開発を始め、2011年3月に200億ウォン規模の同材料の製造工場を稼働させた。2013年4月には、Samsung Electronics社製スマートフォン「Galaxy S4」の有機ELディスプレイに用いる電子輸送層(ETL)材料の量産を開始したとする。

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一方、Novaled社はドイツTechnical University of Dresdenなどが2001年に発足させた有機EL技術のベンチャー企業。「PIN OLED」という素子構造やETL材料などの開発で、500件超の特許を取得済み、または申請中である。同社は2012年には2600万ユーロ(約33億円)の売り上げを得ている。
Cheil Industries社などによれば、今回の買収の狙いは、この買収で有機ELの研究開発力と特許ポートフォリオを強化し、有機ELディスプレイ事業の主導権を得ることだとする。
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