昨年から今年にかけて中国の大型液晶パネル工場がどんどん立上がって大量生産が始まることで、液晶パネル市場は大幅な供給過多になり壊滅的な価格戦争になるのではないかと戦々恐々の予測が出されていましたが、厳しいながらも現時点では当時の予想ほど極端な状況には陥っていないようです。
その理由はいくつかあると思いますが、管理人が思うに、中国の液晶事業として一番課題となっているのは、材料のサプライチェーンです。
プロセス産業である半導体や電子組立産業と比べて、液晶は特殊な材料や部品を数多く使います。仕様も液晶メーカーごとに様々です。中国メーカーは、いまだこれらの部材や材料を日本、韓国そして台湾に依存しています。

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またそれらの部材は日々改善・改良が進められており、それが中国企業に届くまでにはやはり時間差が出来てしまっています。
この時間差はスピード化されたビジネスの中で予想を超えた大きな影響をもたらしています。
液晶応用製品の市場が成熟し同じ仕様のパネルを大量に生産すれば良いというステージに移行した段階では確かに中国メーカーのような規模の大きな工場が脅威となると思われますが、なかなかそこまで進んでいないのが現状です。
その他の中国の課題として、人件費の高騰はやはりボディブローのように効いてきています。数年前まで月2万円くらいの給与で良かった単純作業者が、今では最低でも4万円は出さないと人が集まらないようです。
 もちろん今後のことは分かりませんが、量産工場としての中国の脅威は以前より弱まっていると感じられます。
ならば中国が脅威とならないようにするためには、この変化を常に喚起すればよさそうです。
このような状況下、日本の巻き返しがあってもおかしくないのですが、そういう日本の課題は何でしょう?
次回考えてみたいと思っています。