小型市場で急成長を続けてきた有機EL市場が再び飛躍する準備をしている。
LCDの登場から約20年間、市場を支配していたフラットパネルディスプレイに「フレキシブル有機EL」が新鮮な衝撃を与えようとしている。フレキシブル有機ELは既に数年前から多くの展示会や学会で発表が続き、実際にフレキシブル有機ELが商用化すれば、従来のディスプレイ産業に構造的変化をもたらすものと予測されている。
フレキシブル有機ELという名称は、従来の有機ELとは違い、柔軟な特性を持つ有機ELディスプレイとして区別されている。セットメーカーにとっては、従来のディスプレイとは異なり、形状を自由に変形させ、使いやすく応用の利くアプリケーション実現が長所であり、パネルメーカーにとっては、ガラス基板の使用を最小限に抑え、製造コストを削減し、最終的にはプロセスを簡素化できるため、非常に魅力的な製品コンセプトである。
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フレキシブル有機ELの実現には、従来のガラス基板の代替ができる基板と封止プロセスが必要となる。2010年以前まではMetal Foilを基板に使った試作品が発表されていたが、Metal Foilは柔軟性に限界があり、表面が荒く、最近では様々なプラスチック材料を基板として使う試作品が開発されている。
さらに、封止プロセスはプラスチックフィルムを使う方式から薄膜蒸着に至るまで様々な方式が研究開発されている。
しかし、この技術的アプローチはパネルメーカーごとに相当違っている。
どの材料、どのプロセスを使うかにより、フレキシブル有機ELの性能、生産性、コストに大きな差があり、今後の市場性にも大きな影響を与えると考えられる。
これにより、パネルメーカーごとに、フレキシブル有機EL市場への参入時期にも大きな差ができている。
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