ついに新型iPhoneが発表されましたが、周囲の身勝手でお気楽な期待に背いたようで、アップルのみならずサプライチェーンの企業群の株が売られまくっています。
なにしろ一商品で数千万から億台超えという台数を売ってしまうお化け商品なのです。
例えば液晶で言いますと、もし液晶の画面サイズを変えるというスペック変更を入れようとした場合、3-4社の液晶メーカーが同時期に同質のパネルを立上げなければならないのです。それも業界の最先端を走る超ハイレベルなスペックなのです。
万が一にも立上げがズッコケると、新商品の供給に多大な影響を及ぼしいきなり死活問題に発展します。
そのような大きなスペック変更をリードするためには、強力で緻密なリーダーシップが必要なのです。
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そのリーダーへの要求は当然ながら厳しいものになります。アップル内外の非公式な情報に通じること、業界の本当の動きやサプライチェーンの情報、リスクの匂いを嗅ぎ付ける臭覚、・プロジェクト管理能力・金勘定、当然ながら冷静な判断力がベースにあります。そんなリーダーがアップルにさえも不足しているのでしょうか。
管理人の関係する液晶で言いますと、今回大幅なスペック変更が導入されなかったことは一般的に言って理にかなっていると思っています。今のiPhone向けの4inch液晶が紆余曲折を経てようやく安定生産で流れているのです。Appleと関連するサプライチェーン各社としてここを崩したくないというのはよくわかります。
ただ、もしジョブズさんが存命だったなら、この選択は許さなかったかもしれないとも思います。
理に適っている戦略を許したのかどうか? 常に顧客の期待を超えた驚きを与える製品の提示が全てでした。
今のクックCEOは、経営のための製品作りをしているように思えます。株主の反応やリスクとにらめっこしながらもの作りしようとする発想で、微妙にスペックを変えて製品のバリエーションを創出する手法です。
バランスシートに重点を置いた経営で、小回りの利かない大企業の経営者が陥りやすい罠です。
「巨大なベンチャー企業」であり続けるべきのアップルが、巨大すぎてベンチャー企業であり続けられないのであれば、企業としての存在意義という根源に疑問符がついてしまう、そんなことまで考えさせる発表会でした。
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