鴻海科技集団(フォックスコン)傘下のタッチパネルメーカー、英特盛科技(GIS)が勢力を伸ばしている。アップルのタブレット型パソコン「iPad」「iPad mini」の次世代機種向けを受注して新竹科学工業園区(竹科)で生産能力拡大を計画している他、ノートパソコン大手ブランド、ヒューレット・パッカード(HP)、デル、ソニーからも受注を果たした。
タッチパネル最大手、宸鴻集団(TPKホールディング)と勝華科技(ウィンテック)の脅威となってきた。16日付経済日報などが報じた。

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英特盛は2012年12月設立で、今年7月に竹科竹南園区に進出した。払込資本金は3億5,000万台湾元(約11億6,000万円)。
 証券会社は、英特盛は今年「iPad5」の受注の60%、「iPad mini2」の70%を獲得し、アップルの中大型タッチパネルサプライチェーンで重要な役割を果たすと予測した。英特盛は主な経営陣が群創光電(イノラックス)のタッチパネル貼り合わせ事業の出身者で、鴻海集団に属し垂直統合に強みがあるため、タッチパネルで先行してきたTPKの業績に迫り、ウィンテックを追い抜いたと指摘した。英特盛の月間売上高は70億元近い。
英特盛は「iPad mini」が採用したGF2(カバーガラス・ITOフィルムセンサー2枚)貼り合わせの良品率が大幅に向上し、アジア、欧米でそれぞれ顧客を獲得した。しかしアップルが業績の9割を占めている。
英特盛は「iPad5」「iPad mini2」の受注獲得に続き、タッチパネル搭載ノートPCの市場開拓に注力しており、HP、デル、ソニーからの受注によって、現在は月10万~20万枚の出荷量が下半期に急成長する見通しだ。
英特盛は主にイノラックスから第4.5世代、第5世代のガラスセンサーを調達しており、製品の大型化、出荷量の拡大に伴い第6世代の調達も検討している。
市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの邱宇彬研究協理は、英特盛は前工程のセンサー製造を行わずに外部から調達するアセットライト(軽資産)戦略を採っており、供給過剰の現在は有利な価格で調達できると指摘した。
 また、英特盛はOGS(カバーガラス一体型)技術だけでなく、富士フイルムと提携し、メタルメッシュフィルムの技術開発も進め、顧客開拓を図っている。