タッチパネル最大手、宸鴻集団(TPKホールディング)がノートパソコン用OGS(カバーガラス一体型)タッチパネルの低価格版を開発した。従来より2割の低価格化を実現したとみられる。タッチパネル市場は相次ぐ新規参入によって供給量が増え続けており、今後3~6カ月以内に価格競争が勃発しそうだ。24日付工商時報などが報じた。
タッチパネル最大手のTPKは良品率が高く、納期が確実で顧客の支持が最も高かったが、中国メーカーの良品率も向上し、液晶パネルメーカーまでもが市場に参入したことで、TPKは今年多くの重要顧客を失った。そこで市場シェアを取り戻すべく、先日、低価格帯のラインアップを充実させると表明した。観測によると、OGS用のタッチセンサーは現在、オファー価格が1インチ当たり3米ドル以上だが、早ければ来年第1四半期には2~2.5米ドルまで下がる可能性がある。貼り合わせは現在の1インチ当たり1.5米ドルから、来年には1米ドルを割り込みそうだ。
劉詩亮TPK財務長は、現時点で1インチ2米ドルのオファー価格は出せないが、現在サンプル製造、認証の最中で、できる限り市場競争力のある価格にすると語った。またタッチパネル搭載ノートPCに関し、今年年初よりオファー価格が20%下がっているが、問題は価格でなく需要不振にあり、値下げしても購買意欲を刺激できない状況で、受注見通しは良くないと述べた。
一方、市場調査会社、ディスプレイサーチの謝忠利アナリストは、タッチパネル搭載ノートPCの販売不振の原因は高過ぎる価格だと指摘した。タッチパネルメーカーが低価格製品に注力すれば、ノートPCブランドのタッチパネル採用意欲が上がり、市場浸透率も上昇すると話した。同社は今年の市場浸透率予測を18%から15%に下方修正している。ただ、昨年の2.1%と比較すると、大幅な成長見通しだ。
中国のタッチパネルメーカー、深セン欧菲光科技(O?film)や深セン莱宝高科技は台湾に事務所を構え、大手より10~20%安いオファー価格を設定して、宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)からの受注に成功した。
友達光電(AUO)のeTPタッチパネルは液晶パネルとOGSタッチパネルの統合型製品で、従来型OGSタッチパネルより20%安い。群創光電(イノラックス)のイノタッチでは14インチノートPC用モジュール価格が50米ドルから30米ドルに下がり、年末には20~25米ドルとなる見通しだ。韓国のLGディスプレイ(LGD)も最近13.3、14、15.6インチノートPC用に統合型タッチパネルを販売している。
タッチパネル産業は今後数年は2桁成長が続くものの、参入が増え、生産能力も拡大し、価格が毎年20%以上下がれば、高い利益率は確保できなくなる。
中国に生産拠点を持つ牧東光電は23日、中国子会社の株式を1株0.24米ドル、総額5,100万米ドルで手放し、タッチパネル関連の設備、業務を全て売却すると発表した。ついに市場淘汰(とうた)が始まったもようだ。
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