中小型パネル最大手のジャパンディスプレイは創立後ちょうど1年半くらいだが、高解像度スクリーン搭載端末の製造競争の恩恵を受けている主要な企業の一角だ。
米アップルが2012年3月にタブレット端末「iPad(アイパッド)」の第3世代機種を発表した時、その高解像度retinaディスプレイは極めて鮮明な画像で多くの人々を驚かせた。しかし、それ以来、グーグルやアマゾン・ドット・コムといった競合他社がこの戦いに参入し、さらに高解像度のディスプレイを備えた新しいタブレット端末を発表している。
グーグルとアマゾンの最近の取り組みが、ジャパンディスプレイにとって追い風になっている。ジャパンディスプレイはアマゾンの8.9インチのタブレット端末「キンドル・ファイアHDX」とグーグルの最新タブレット「ネクサス7」といった機種に使用されているディスプレイを供給している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

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アマゾンのHDXは先週発売され、インチ当たり339ピクセルのディスプレイを搭載。7月に発売されたグーグルのネクサス7に使用されているディスプレイはインチ当たり323ピクセルだ。いずれも、昨年11月に発売されたアップルの9.7インチの最新アイパッドに使用されているディスプレイのインチ当たり264ピクセルを上回っている。
ジャパンディスプレイは「iPhone 5s」と「iPhone 5c」に使用されているディスプレイをはじめ、スマートフォン(スマホ)のディスプレイの主要な供給会社だが、タブレット端末向けディスプレイ事業は依然、比較的小さい。しかし、過去数カ月間にわたり、グーグルやアマゾンといった主要顧客からの注文により、ジャパンディスプレイはタブレット市場での存在感を高めている。ジャパンディスプレイの大塚周一社長は1月のインタビューで、タブレット新機種に高解像度スクリーンを搭載したがっている一部顧客と交渉をしていると明らかにしていたが、その時、顧客名は明かしていなかった。
タブレット市場は引き続き拡大しているが、基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載端末が一段と増えるなかで、アイパッドの優勢が弱まっている。高性能のスマホ市場の成熟に伴い、ジャパンディスプレイは顧客ベースをタブレット端末用ディスプレイに拡大する必要が生じている。
こうした展開を受けてジャパンディスプレイの株式公開計画が一段と成功を収める可能性が高まっている。同社は来年3月までに新規株式公開(IPO)を果たし、20億ドル(約2000億円)の資金調達を計画している。これは複数の関係者が9月に明らかにした。
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