2011年に3,200万台規模であった携帯ゲーム機市場は、2012年に2,700万台規模まで減少している。
2大メーカーである任天堂とソニーの両社が失速しているため、市場規模の縮小が止まらない状況となっている。2013年も引き続き、厳しい状況が見込まれるが、年末商戦に向けて両社の販売戦略に動きが見られる。
ソニーは、2013年2月に国内市場、8月に欧米市場でPlaystation Vitaの販売価格の見直しを行った。また、国内市場では10月10日にVitaの新モデル「PCH-2000シリーズ」を発売する。新モデルでは、ディスプレイサイズや解像度は旧モデルと同じスペックを継承しながら、搭載ディスプレイをAMOLEDからLCDに変更している。
また、筐体の薄型化・軽量化や、ゲームプレイに必須となるメモリーカードの価格を値下げを行うことで、旧モデルより普及機種として位置付ける戦略である。
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一方、任天堂は海外市場向けに「Nintendo 2DS」を発売すると発表した。
同機は3D表示に非対応とすることや、折り畳み式ではない簡素な筐体を採用することでコストを下げており、低価格モデルとして位置づけられる。欧米では、立体視が幼年層の視覚に与える悪影響が懸念されていることから、3D表示に非対応とし価格帯を下げることで、より低年齢層の需要開拓を狙う戦略と見られる。
両社の2013年末商戦の販売戦略は、低価格化を推し進める点で一致している。国内市場での販売拡大が難しくなっている中で、低価格化による海外市場の開拓を成功させることが両社の生き残りの策となる。