パナソニックはは2013年度末をめどにプラズマテレビ向けパネル生産を停止する方針を固めた。
生産拠点の尼崎工場(兵庫県尼崎市)も売却する方針で同事業から完全撤退する。
プラズマテレビ事業は同社が13年3月期まで2年連続で7500億円を超える最終赤字を計上する要因の一つだった。最大の懸案に区切りがつくことで同社の構造改革が大きく前進する。
月内にも発表する。プラズマテレビの新規開発はすでに中止、当初は14年度の生産終了を検討していた。製品在庫がなくなる14年度に販売も終える見通し。尼崎工場で製造などに従事する従業員は主に他部門への配置転換を進める。
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尼崎工場は生産棟が3棟あり、現在稼働しているのは第2棟のみ。このうち休止している第3棟について外部企業と売却交渉しており、年内に合意できる見通し。第3棟の土地の所有者である兵庫県、尼崎市とも借地権の移転に向けて調整しているもよう。残る第1、第2棟は売却も含めて活用を検討する。
テレビ事業の構造改革では、姫路工場(兵庫県姫路市)で生産する液晶パネルでタブレット端末や医療用モニターなどテレビ以外の用途の比率を高める。北米の販売網の合理化にも取り組む。
尼崎工場の資産については製造設備の減損処理は実施済み。建屋で400億円強を残すが、撤退により評価損を計上しても、本業の収益回復で吸収できるとしている。
プラズマテレビ市場の一角を占めるパナソニックが撤退することで、薄型テレビにおけるプラズマテレビも事実上、終焉(しゅうえん)を迎える。今後は市場の大半を占める液晶テレビを軸に、次世代技術と目される有機ELテレビがどこまで追い上げられるかがカギとなる。
米ディスプレイサーチによると、2012年のプラズマテレビにおけるパナソニックのシェア(台数ベース)は16.5%。韓国サムスン電子(51.9%)、韓国LG電子(23.9%)とともに市場の大半を握っていた。
1990年代後半に薄型テレビ市場が立ち上がってから、電機業界では画面サイズで50型以上の大型テレビにプラズマ、50型未満の中小型には液晶と、住み分けが続いた。しかし技術革新で液晶の画面の大型化が進み、価格競争力のある液晶が中心となった。
プラズマテレビは日本メーカーが開発を主導。しかし日立製作所が08年度に、パイオニアは09年度に撤退した。パナソニックの撤退でプラズマテレビを手がける国内家電メーカーはなくなる。
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