中国のスマートフォン用タッチパネルコントローラIC市場で最大手となっている敦泰科技(フォーカルテック・システムズ)の胡正大董事長兼総経理は、来年中国スマートフォン市場は30%以上成長し、タブレット型パソコンの世界市場も70~80%伸びると予測。タッチパネルはカーエレクトロニクス、医療、スポーツ、家電などまで応用製品が徐々に拡大しており、今後10年が黄金期となると指摘した。21日付経済日報が報じた。
フォーカルテックは中興通訊(ZTE)、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)など中国スマートフォン大手から受注し、同市場で一時はシェア8割を占めたこともある。今年は聯発科技(メディアテック)と合併予定の晨星半導体(Mスター・セミコンダクター)、メディアテックが出資する深セン市匯頂科技(GOODiX)に市場を奪われ、独占体制が崩れたといわれている。
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 胡董事長は、現在もシェア5割を握り、技術でライバルを大きくリードしていると強調した。同社は過去3年連続で出荷量が平均3倍に増えており、今年は3倍は無理ながら2億個以上は手堅いと述べた。昨年出荷は1億3,000万個だった。
 同社の出荷先は中国が92%で、顧客は携帯電話が85%、タブレットPCが15%だ。来年は中国スマートフォン市場でシェア50%を維持し、中国タブレットPC市場では20%以上へとシェア倍増を目指す。PC市場は参入したばかりだが、全製品でWindows8(ウィンドウズ8)の認証を取得し顧客向けに設計を始めており、来年第2四半期か第3四半期に成果が出る見通しだ。ウエアラブルデバイス(装着型端末)市場では中国以外の企業にも接触して、一部は出荷が始まっており、来年は台湾、韓国、米国市場で業績への貢献が期待できる。
 胡董事長は、中国のスマートフォン市場は昨年3倍に拡大したものの、今年は2倍どまりで、ペースダウンしていると述べた。一方、タブレット型PCは、市場規模がまだスマートフォンほど大きくなく、比較的新しい分野のため高成長が期待できると話した。また、自動車で、オフィスで、家庭で、スポーツ時にとタッチパネル使用機会が広がり、今や4~5歳の子供さえ触っていると指摘。タッチパネル応用製品の拡大が産業全体の持続的発展をけん引すると述べた。
 胡董事長は、タッチパネルコントローラICは平均販売価格(ASP)下落が来年も続くが、同社は出荷量拡大と生産コスト削減の他、ハイエンド新製品の投入で粗利益率40%以上を維持すると述べた。中台の液晶パネルメーカーとインセル方式LCDを共同開発しており、タッチパネルコントローラICと液晶ディスプレイ(LCD)ドライバICの統合型チップを来年から量産する予定だ。
 胡董事長は、インセル方式タッチパネルが2015年に主流となると予測。技術的難易度が高くアップルでさえ長い間手こずっているが、同社は難関を突破できると話した。ただ、来年はオンセル方式がタッチパネル市場の3割以上を占めると予測した。